「ライザップのように糖質を抜けば、短期間で劇的に痩せると聞いた」
「いやいや、日本人はお米を食べて痩せるローファットが一番健康的だと言われた」
「結局、どっちをやればいいの? 両方やるのはダメなの?」
ダイエットを志した時、誰もがぶつかる最初の壁。
それが「糖質制限(ケトジェニック)」か「脂質制限(ローファット)」かという、永遠の二択問題です。
ネット上には両者のポジショントークが溢れており、混乱している方も多いでしょう。
しかし、結論から言えば「万人に共通する正解」はありません。
あるのは、「あなたの体質、性格、財布事情に合った正解」だけです。
この記事では、両者のメカニズムを科学的に解剖し、メリット・デメリットを公平に比較。
さらに、筋トレのパフォーマンスを最大化する視点や、停滞期を打破する「スイッチング」という上級テクニックまで網羅しました。
この記事でわかること
- 「お米を抜く」vs「揚げ物を抜く」。科学的に脂肪が落ちるスピードが速いのはどっち?
- 筋肉を落とさずに減量したいなら「ローファット」を選ぶべき決定的な理由
- 停滞期知らず!2つの手法を使い分けて代謝を騙す「ハイブリッド戦略」
- そもそも、人はなぜ太るのか?2つの「肥満メカニズム」を理解せよ
- 短期集中型「糖質制限(ケトジェニック)」の真実。肉を食って痩せる魔法
- 王道かつ最強「脂質制限(ローファット)」の真実。お米を食べて痩せる正攻法
- 【体験談】「糖質制限」で仕事にならなかった営業マンが、「脂質制限」で覚醒した話
そもそも、人はなぜ太るのか?2つの「肥満メカニズム」を理解せよ

どちらの手法を選ぶにせよ、まずは敵(体脂肪)が増える仕組みを知らなければ勝てません。
人が太る原因は、大きく分けて2つのルートがあります。
インスリンの暴走:糖質過多が招く「脂肪合成モード」
ご飯、パン、麺類、スイーツなどの「糖質」を摂取すると、血糖値が上がります。
すると、膵臓から「インスリン」というホルモンが分泌されます。
インスリンは、血液中の糖分を筋肉や肝臓に運ぶ「運び屋」ですが、タンクが満タンだと、余った糖分をせっせと「脂肪細胞」に運び込みます。
さらに、インスリンが出ている間は、体脂肪の分解がストップします。
つまり、糖質を頻繁に摂りすぎてインスリンが出っ放しの状態=「24時間、脂肪合成モード」ということになります。
このルートを遮断するのが「糖質制限」です。
カロリー密度:脂質の「9kcal」が気づかぬうちにオーバーカロリーを作る
もう一つの原因は、単純な「カロリーの摂りすぎ」です。
三大栄養素のカロリーを見てみましょう。
- タンパク質(P):1gあたり 4kcal
- 炭水化物(C):1gあたり 4kcal
- 脂質(F):1gあたり 9kcal
脂質は、他の栄養素の2倍以上のカロリーを持っています。
揚げ物、ドレッシング、ナッツ、霜降り肉。
これらは少量でも爆発的なカロリーになります。
「そんなに食べていないのに太る」という人は、大抵この脂質のカロリー密度を見落としています。
このルートを遮断するのが「脂質制限」です。
どちらの制限も目指すゴールは同じ。「アンダーカロリー」の作り方が違うだけ
結局のところ、痩せるための大原則は「摂取カロリー < 消費カロリー」です。
糖質制限も脂質制限も、アプローチが違うだけで、目指しているのはこの「アンダーカロリー(カロリー不足)」の状態を作ることです。
魔法のように「食べても痩せる」わけではありません。
どちらかの栄養素を極端に削ることで、全体のカロリーを落としているに過ぎないのです。
短期集中型「糖質制限(ケトジェニック)」の真実。肉を食って痩せる魔法

まずは「糖質制限」です。
中でも、糖質を限りなくゼロに近づけ、脂質を大量に摂る手法を「ケトジェニックダイエット」と呼びます。
ライザップなどのパーソナルジムが採用しているのも主にこの手法です。
仕組み:糖質の代わりに「脂肪」を燃やす身体(ケトーシス)へ改造する
人間の体は通常、糖質(ブドウ糖)をエネルギー源にしています(ハイブリッド車の電気モード)。
しかし、糖質が完全に入ってこなくなると、体は非常事態モードに入り、体脂肪を分解して「ケトン体」という物質を作り出し、それを脳や体のエネルギーにします(ガソリンモード)。
この、脂肪をメイン燃料にする体質に切り替わった状態を「ケトーシス」と呼びます。
自分の体脂肪を常に燃やして動くため、痩せるスピードは極めて速いです。
メリット:空腹感が少ない、スピードが速い、酒(蒸留酒)が飲める
ケトジェニックの最大のメリットは「空腹感が少ない」ことです。
脂質(肉や魚、卵)をたっぷり摂るため腹持ちが良く、血糖値の乱高下がないため、偽の食欲に襲われません。
また、糖質は水分と結びつく性質があるため、糖質を抜くと体内の余分な水分が抜け、開始1週間でスルスルと体重が落ちます(最初は水分ですが、モチベーション維持には効果的です)。
さらに、焼酎やウイスキーなどの蒸留酒なら飲んでもOKなので、お酒好きには天国です。
デメリット:食費が高い、導入期のだるさ(ケトフル)、筋肉の張りが消える
最大のネックは「お金」です。
主食(米・パン・麺)という安価なカロリー源を断ち、肉・魚・アボカド・MCTオイルなどの高価な食材でお腹を満たす必要があるため、食費は跳ね上がります。
また、体がケトン体回路に切り替わるまでの数日間は、頭痛や倦怠感(ケトフル)に襲われることがあります。
そして、筋肉中の水分(グリコーゲン)が抜けるため、筋肉の張りがなくなり、体がしぼんで見えるという欠点もあります。
「糖質制限が流行ってるから、夜だけご飯抜こう」
この「中途半端な糖質制限」が、筋トレ民にとっては一番危険です。
糖質が不足し、かつ脂質も十分に摂っていない(ケトーシスに入っていない)状態だと、脳はエネルギー不足に陥ります。
すると体は、筋肉を分解してアミノ酸を取り出し、それを糖に変えて脳に送ろうとします。
これを「糖新生」と呼びます。
つまり、筋肉を溶かして脳の餌にしてしまうのです。
やるなら徹底的に糖質を切り(1日20g〜50g以下)、脂質をガンガン摂る。
やらないならしっかり糖質を摂る。
どっちつかずが一番筋肉を失います。
王道かつ最強「脂質制限(ローファット)」の真実。お米を食べて痩せる正攻法

次は「脂質制限(ローファット)」です。
ボディビルダーの減量といえば、昔からこちらが主流です。
日本の伝統的な食事(和食)そのものです。
仕組み:カロリー密度の高い「脂」をカットし、物理的に摂取カロリーを下げる
仕組みはシンプル。
1g9kcalもある脂質を極力カットし、タンパク質と炭水化物(1g4kcal)を中心に食べることで、食事のボリュームを維持したままカロリーを抑えます。
PFCバランスの目安は「P3 : F1 : C6」程度。
脂質は総カロリーの10%〜20%に抑えます。
メリット:食費が安い、筋肉が落ちにくい、続けやすい(日本食と相性抜群)
お米、蕎麦、うどん、パスタ(具なし)などが食べられるため、食費が非常に安く済みます。
また、糖質は筋肉のガソリン(筋グリコーゲン)になるため、トレーニングの強度が落ちにくく、筋肉を維持しやすいのが最大の特徴です。
おにぎりや和定食など、日本社会にはローファットな選択肢が多く、コンビニや外食でもメニュー選びに困りにくいのも利点です。
デメリット:空腹感が強い、外食が難しい、脂質不足による肌荒れリスク
脂質は消化に時間がかかるため腹持ちが良いのですが、それをカットするローファットは、すぐにお腹が空きます。
また、血糖値の上下があるため、食後に眠くなったり、空腹時にイライラしたりしやすいです。
極端に脂質をカットしすぎると(ゼロに近づけると)、ホルモンバランスが崩れ、肌荒れや性欲減退などの不調を招くリスクがあります。
最低でも「良質な脂質(魚の油など)」は適度に摂る必要があります。
【体験談】「糖質制限」で仕事にならなかった営業マンが、「脂質制限」で覚醒した話

脳のエネルギー切れで商談失敗
営業職のDさん(29歳)は、夏に向けて「とにかく早く痩せたい」と、自己流の糖質制限を始めました。
朝はサラダ、昼はチキンのみ、夜は豆腐。
糖質を完全に抜き、脂質もカロリーを気にして控えめにしていました。
すると開始3日目で強烈なめまいと頭痛に襲われ、重要な商談中に言葉が出てこなくなる事態に。
「これはマズイ」とジムのトレーナーに相談すると、「Dさんは頭を使う仕事だし、活動量も多いから、お米を食べないとダメです」と怒られました。
言われた通り、脂質(揚げ物やドレッシング)をカットし、代わりにおにぎりを1日4個食べるローファットに切り替えました。
すると、脳の霧が晴れたように集中力が戻り、トレーニングでも力が湧いてくるのを感じました。
「食べているのに痩せていく」。
お米のパワーを借りたDさんは、仕事のパフォーマンスを落とすことなく、3ヶ月で体脂肪率12%の引き締まった体を手に入れました。
筋トレ民へのファイナルアンサー。筋肉を残したいなら「ローファット」一択?

「痩せる」だけでなく「筋肉を残す(あわよくば増やす)」ことを考えるなら、軍配はどちらに上がるのでしょうか。
結論は、「ローファット(脂質制限)」が優勢です。
筋トレのガソリンは「糖質(グリコーゲン)」。ガス欠で車は走らない
筋トレのような「高強度の無酸素運動」の主なエネルギー源は、筋肉の中に蓄えられた糖質(筋グリコーゲン)です。
ケトジェニック中はこのグリコーゲンが枯渇しているため、どうしてもパワーが出にくく、パンプ感(筋肉の張り)も得られません。
「使用重量が落ちる=筋肉への刺激が減る=筋肉が落ちる」。
この負のスパイラルを避けるためには、糖質が必要です。
インスリンは悪じゃない。筋肉に栄養を運ぶ「運び屋」としての役割
先ほど悪者のように書いたインスリンですが、実は「世界最強の同化ホルモン(筋肉を作るホルモン)」でもあります。
トレーニング後に糖質を摂ってインスリンを分泌させることで、アミノ酸を筋肉の中に強力に押し込むことができます。
この「インスリン・スパイク」を利用できるのが、ローファットの強みです。
ボディビルダーの9割が減量期に「お米」を食べている事実
実際、コンテストに出るボディビルダーの多くは、減量末期までお米や餅、サツマイモなどの糖質を食べています。
彼らが一番恐れているのは「筋肉がしぼむこと」。
筋肉のサイズと張りを維持しながら、皮一枚の脂肪を削ぎ落とすには、脂質制限の方がコントロールしやすいというのが、フィットネス界の定説です。
停滞期をぶっ壊せ!2つの手法を混ぜる「ハイブリッド・スイッチング」

しかし、ローファットにも弱点があります。
体が慣れて代謝が落ちる「停滞期」です。
これを打破するのが、2つの手法を切り替えるスイッチングです。
身体は慣れる。1ヶ月ごとに切り替えて代謝を騙すテクニック
人間の体は恒常性(ホメオスタシス)があり、同じ食事制限を続けていると「飢餓状態だ」と判断して省エネモードになり、体重が落ちなくなります。
そこで、手法をガラッと変えます。
「今月はローファットだったから、来月はケトジェニックにしよう」。
こうすることで、体は「あれ?エネルギー源が糖質から脂質に変わったぞ?」と混乱し、代謝システムを組み替えようとエネルギーを使い始めます。
この「代謝の揺さぶり」が、停滞期突破の鍵です。
チートデイの落とし穴:ローファット中に脂質をドカ食いしてはいけない
ストレス発散のための「チートデイ」ですが、ローファット中に「ラーメン、ピザ、ケーキ(高糖質×高脂質)」をドカ食いするのは危険です。
インスリン感受性が高まっている状態で大量の脂質を入れると、一気に体脂肪になります。
ローファット中のチートデイは「和菓子、団子、果物」などの高糖質・低脂質なものを大量に食べる「ハイカーボデイ」にするのが正解です。
究極の奥義「サイクルダイエット」:トレーニング日は高糖質、オフ日は低糖質
さらに上級者向けには、日替わりで行う方法もあります。
・脚や背中のトレーニング日:しっかりご飯を食べる(高糖質・低脂質)
・トレーニングオフの日:ご飯を減らして肉や卵を食べる(低糖質・高脂質)
これなら、トレーニングの質を保ちつつ、週単位でカロリーを調整できます。
【体験談】結婚式まで2ヶ月。花嫁が選んだ「短期ケトジェニック」の奇跡

ドレスの背中ファスナーを閉めるために
結婚式を控えた花嫁のEさん(27歳)は、試着したドレスの背中ファスナーが閉まらず、青ざめていました。
式まであと2ヶ月。
悠長なことは言っていられません。
コストは度外視で「とにかく最速でサイズダウンしたい」と、パーソナルトレーナー指導のもと、徹底的なケトジェニックダイエットを開始しました。
主食は一切なし。朝はMCTオイル入りコーヒー、昼と夜はステーキや焼き魚、アボカドサラダ。
おやつはくるみとチーズ。
食費は跳ね上がりましたが、効果は劇的でした。
糖質カットによる脱水効果もあり、開始2週間で顔周りのむくみが消滅。
1ヶ月後にはウエストが−5cm。
式当日は、背中の肩甲骨(天使の羽)がくっきりと浮き出た状態でドレスを着こなし、ゲストから「痩せて綺麗になった!」と絶賛されました。
「一生に一度の日だから、お金も努力も惜しまなくてよかった」とEさんは振り返ります。
あなたはどっち?性格とライフスタイル別「適性診断チャート」

最後に、あなたがどちらを選ぶべきかの判断基準をまとめます。
「自炊派 vs 外食派」:コンビニが多いなら糖質制限が有利
・自炊派ならローファット:ご飯を炊いて、鶏胸肉を茹でるのが一番安上がりです。
・外食・コンビニ派ならケトジェニック:コンビニのチキン、ゆで卵、フランクフルト、サバ缶、外食ならステーキや焼き肉など、糖質制限メニューは調達しやすいです。ローファットの外食(低脂質メニュー)を探すのは至難の業です。
「お米好き vs お肉好き」:我慢できない好物を軸に選べ
・お米がないと生きていけない人:迷わずローファットです。ケトは地獄です。
・脂っこい肉やマヨネーズが好きな人:ケトジェニックならこれらを食べられます。
「金欠 vs 富豪」:財布事情で決めるのも立派な戦略
・金欠:ローファット一択。卵ともやしと米があれば生きていけます。
・富豪:ケトジェニック。良質なグラスフェッドビーフやMCTオイルをふんだんに使いましょう。
まとめ:正解は「続けられる方」。ストレスフリーこそが最強のダイエット

長々と解説してきましたが、結論はこれに尽きます。
「あなたがストレスなく続けられるのはどっち?」
- 筋肉を守り、安く済ませたいなら「脂質制限(ローファット)」。
- 短期間で結果を出したい、肉が好きなら「糖質制限(ケトジェニック)」。
- 停滞したら切り替える「ハイブリッド」も有効。
ダイエットで一番の失敗は、「選べずに迷っている時間」と「両方やろうとして中途半端になること」です。
まずはどちらか一方を決めて、最低2週間は徹底してやってみてください。




