「明日は大事な取引先との飲み会だ…。せっかく減量進んでたのに、全部パーになるかも…」
「飲み会って、なんであんなに揚げ物と炭水化物ばっかりなんだよ。食べられるものがない…」
「飲みすぎた翌朝の罪悪感と倦怠感がハンパない。もう筋トレのやる気起きないよ…」
筋トレを生活の中心に据えるあなたにとって、「飲み会」は避けたいイベントの一つかもしれません。
アルコールは筋肉に悪影響を与え、高カロリーな食事は努力して絞った体を台無しにしてしまう…。
そんな恐怖心から、付き合いを断り続けてストレスを感じていたり、逆に、参加してしまった翌日に強烈な自己嫌悪に陥ったりしていませんか?
ですが、安心してください。
正しい知識と戦略さえ持っていれば、飲み会があなたの努力をゼロにすることはありません。
この記事では、飲み会による筋トレへの悪影響を最小限に抑える「当日の賢い立ち回り術」から、万が一飲みすぎ・食べすぎても全てをリセットする「翌日の完璧なリカバリー食事術」まで、具体的かつ実践的な方法を徹底解説します。

この記事でわかること
- アルコールが筋肉に与える3つの具体的な悪影響(筋肉分解のメカニズム)
- 飲み会当日に、太りにくく筋肉を守るための「賢いお酒とおつまみの選び方」
- 飲みすぎた翌日に実践すべき、朝・昼・晩の具体的な「リセット食事メニュー」
なぜ筋トレ民は「飲み会」を恐れるのか?アルコールの3大悪影響
まずは敵を知ることから始めましょう。
なぜアルコールが筋トレ民にとって「悪」とされるのか。
その理由は、主に3つの科学的根拠に基づいています。
これを知るだけで、当日の行動が大きく変わるはずです。
① 筋肉の合成を妨げる「テストステロン」の減少
テストステロンは、筋肉の合成を促す最も重要なホルモンの一つです。
しかし、アルコール(特に多量の摂取)は、このテストステロンの分泌を抑制してしまうことが研究で示されています。
筋肉を作れという「ゴーサイン」が出にくくなるため、せっかくのトレーニング効果が薄れてしまうのです。
② 筋肉を分解する「コルチゾール」の増加
アルコールを摂取すると、体はそれを「毒」とみなし、分解するためにストレス状態になります。
この時、ストレスホルモンである「コルチゾール」が大量に分泌されます。
コルチゾールは、筋肉を分解してエネルギーを取り出そうとする「カタボリック(異化)」作用を持っているため、筋肉にとってはまさに天敵。
アルコールは筋肉の「合成」を妨げるだけでなく、「分解」まで促進してしまうのです。
③ 食欲の暴走と「高カロリーおつまみ」の罠
アルコールには、理性を司る脳の前頭前野の働きを鈍らせる作用があります。
普段は「減量中だから揚げ物はやめよう」と我慢できていても、酔いが回るとそのタガが外れ、「もういいや!」と食欲が暴走しがちです。
そして、居酒屋のメニューは、唐揚げ、ポテトフライ、ピザなど、高脂質・高炭水化物のオンパレード。
このダブルパンチが、一晩で減量の努力を水泡に帰す最大の原因となります。
【飲み会・当日編】被害を最小限に抑える「賢者の立ち回り術」
飲み会が避けられないなら、その被害を最小限に食い止める「立ち回り術」を身につけましょう。
少しの工夫で、翌日のダメージは劇的に変わります。
乾杯の1杯目は?「戦略的」なアルコールの選び方
アルコールを選ぶ際は、「糖質」の量を意識しましょう。
ビールや日本酒、カクテル類は糖質が高いため、血糖値を急上昇させやすく、脂肪として蓄積されやすいです。
おすすめは、ハイボール(ウイスキー)、焼酎(水割り・お茶割り)、糖質ゼロ系のビールなど、蒸留酒や糖質オフのものです。
乾杯がビールでも、2杯目以降は賢く切り替えるのがトレーニーの嗜みです。
「タンパク質」と「食物繊維」を先に胃に入れろ
空きっ腹にアルコールや炭水化物を入れるのは最悪の選択です。
まず注文すべきは、血糖値の上昇を緩やかにし、満腹感を与えてくれる「食物繊維」と「タンパク質」です。
枝豆、海藻サラダ、冷奴、焼き鳥(タレより塩)、刺身盛り合わせなどを先に胃に入れておきましょう。
これが、アルコールの吸収を遅らせ、食欲の暴走を防ぐ「防波堤」となります。
絶対に避けるべき「最悪のおつまみ」ワースト3
理性が残っているうちに、これだけは避けるべきメニューを知っておきましょう。
- フライドポテト:脂質+糖質の塊。まさに「太るため」の食べ物です。
- 唐揚げ・揚げ物全般:高脂質・高カロリーな上に、衣が糖質を吸っています。
- ピザ・パスタ:精製された炭水化物と脂質のコンビは、体脂肪の最短ルートです。
これらを避け、焼き物、蒸し物、生もの(刺身など)を選ぶようにしましょう。
最後の砦。「締めのラーメン」を回避する思考法
アルコール摂取後は、体が水分と塩分(ミネラル)を欲しています。
「締めのラーメン」が魅力的に映るのは、この生理的欲求に他なりません。
しかし、深夜の高カロリーな炭水化物がどれほど危険かは、言うまでもありません。
これを回避するには、飲み会の最後に「しじみの味噌汁」や「お茶漬け(軽く)」を頼んでおく、あるいは帰宅後すぐにスポーツドリンクや経口補水液で水分とミネラルを補給するのが効果的です。
「防波堤作戦」で乗り切った接待ゴルフ
先月、大事な取引先との接待ゴルフがありました。
当然、夜は宴会です。
減量中だった僕は絶望しましたが、事前に学んだ「賢者の立ち回り術」を試すことにしました。
宴会が始まる前、僕はコンビニで「サラダチキン」と「野菜スティック」を買い、車の中でこっそり食べておきました。
これが「防波堤作戦」です。
宴会が始まると、僕はまず「ハイボール」を注文。
そして目の前に唐揚げやピザが並ぶ中、ひたすら「枝豆」と「刺身の盛り合わせ」を狙い撃ちしました。
事前にある程度お腹を満たしていたおかげで、食欲が暴走することはありませんでした。
「〇〇さんは小食ですね」と言われましたが、「ゴルフで疲れまして」と笑顔で回避。
翌朝、恐る恐る体重計に乗ると、ほとんど増えていませんでした。
知識は、最強の鎧になる。そう確信した瞬間でした。
【飲み会・翌日編】最重要!筋トレ効果をリセットする食事プラン
飲み会当日のがんばりも重要ですが、本当の勝負は「翌日」です。
飲みすぎ・食べすぎた翌日の食事こそ、ダメージをリセットし、努力を無駄にしないための最重要課題です。
朝イチで摂るべきは「大量の水」と「ビタミンB群」
アルコールの分解には、大量の水分と「ビタミンB群」が消費されます。
翌朝の倦怠感やむくみの多くは、この脱水と栄養不足が原因です。
目が覚めたら、まずはコップ1〜2杯の常温の水を飲み干しましょう。
アルコールの分解を助け、体内の老廃物を排出させるために、水分補給は最優先事項です。
また、豚肉、納豆、卵、あるいはサプリメントでビタミンB群を補給すると、エネルギー代謝がスムーズになり、回復が早まります。
【朝食】胃に優しく、タンパク質を補給するメニュー
前夜の暴飲暴食で、胃腸は疲れ切っています。
しかし、筋肉の分解を防ぐため、タンパク質の補給は欠かせません。
「食べたくない」と感じても、消化に良い形でタンパク質を摂りましょう。
おすすめメニュー:
・プロテインドリンク(水割り)
・卵雑炊(お粥に卵を落とす)
・豆腐とわかめの味噌汁
【昼食】「良質な炭水化物」でグリコーゲンを再充填する
アルコールの分解にエネルギーが使われた結果、筋肉のエネルギー源である「グリコーゲン」は枯渇状態にあります。
ここで炭水化物を抜くと、体は筋肉を分解してエネルギーを作ろうとします。
昼食では、脂質を避けつつ、良質な炭水化物を摂ってグリコーゲンを回復させましょう。
おすすめメニュー:
・そば(月見そば、とろろそばなど)
・焼き魚定食(ご飯は少なめ、あるいは玄米)
・コンビニなら「鮭おにぎり」と「サラダチキン」
【夕食】「高タンパク・低脂質」で1日の帳尻を合わせる
1日の総仕上げです。
前日にオーバーしたカロリーを調整するため、夕食は徹底して「高タンパク・低脂質」を貫きます。
ここで調整できれば、飲み会のダメージはほぼリセット可能です。
おすすめメニュー:
・鶏むね肉とブロッコリーの蒸し物
・白身魚のホイル焼き(タラ、カレイなど)
・豆腐と野菜たっぷりの湯豆腐
飲み会翌日のトレーニングはどうするべきか?
「昨日食べた分を消費しないと!」と焦って、翌朝からハードなトレーニングをしようとしていませんか?
それは逆効果になる可能性が高いです。
アルコールが抜けきるまでは「オフ」が賢明
体内にアルコールやその分解物(アセトアルデヒド)が残っている状態でトレーニングを行うと、パフォーマンスが低下するだけでなく、怪我のリスクが格段に上がります。
また、エネルギーが不足しているため、筋肉の分解(カタボリック)がさらに進む可能性もあります。
「飲みすぎたな」と感じる翌日は、勇気を持って「完全オフ」とし、栄養補給と水分摂取に全力を注ぎましょう。
それが結果的に回復を早めます。
再開するなら「軽めの全身運動」から
体が回復したと感じたら、まずはウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動から再開するのがおすすめです。
血流を促進し、残った老廃物の排出を助けます。
筋トレを再開する場合も、いきなり高重量を扱わず、軽めの重量で全身を動かし、体のコンディションを確認する程度に留めておくのが賢明です。
絶望の朝から復活した「リセット飯」
やらかしてしまいました。
友人の結婚式の二次会で、楽しくなってしまい、ビールに始まり、ワイン、ハイボール…そして最後は記憶が曖昧。
目が覚めたのは昼前。
最悪の二日酔いと、「終わった…」という絶望感。
鏡に映る自分はむくみでパンパン。
もうジムを辞めようかとさえ思いました。
しかし、そこで「いや、今諦めたら本当に終わりだ」と思い直し、スマホで学んだ「リセット術」を実行することに。
まず、水を1リットル飲み干しました。
そして、フラフラしながらコンビニへ行き、「鮭おにぎり」「ゆで卵」「豚汁」を購入。
これを遅い昼食として詰め込みました。
夜は、冷凍してあった鶏むね肉を茹で、大量のブロッコリーとポン酢で食べました。
そして、その日はトレーニングを休み、ひたすら水を飲んで早めに寝ました。
翌朝。
体重はまだ戻っていませんでしたが、体のだるさは驚くほど抜けていました。
むくみもかなり引いています。
「…いける!」。
その足でジムに向かい、汗を流した時の達成感は忘れられません。
あの一度の失敗で諦めなくて、本当によかった。
リセット術は、僕のメンタルまで救ってくれました。
飲み会を「メンタルのチートデイ」として活用する思考法
筋トレは長期戦です。
ストイックに完璧を目指すあまり、人付き合いを全て断ち、孤立してしまうのは精神衛生上よくありません。
時には、飲み会を「メンタルのチートデイ」として捉える発想の転換も必要です。
完璧主義が挫折を生む
「0か100か」で考えると、一度の飲み会が「0」となり、全てが嫌になって挫折する原因になります。
しかし、90点の努力を続けていても、一度の飲み会(50点)が加われば、平均点はまだ80点以上です。
完璧を目指すのではなく、長期的な平均点で考えることが継続のコツです。
長期的な継続こそが最強の戦略
あなたの体は、たった一晩の飲み会で崩壊したりはしません。
それよりも、飲み会を恐れてストレスを溜め込んだり、参加した罪悪感からトレーニングをやめてしまったりすることの方が、よほど大きなダメージとなります。
この記事で紹介した「立ち回り術」と「リセット術」という武器があれば、もう飲み会は怖くありません。
賢くリカバリーし、明日からのトレーニングをまた楽しむ。
その「継続力」こそが、理想の体を作る最強の戦略なのです。
まとめ:正しい知識で飲み会を乗り切れ!努力を無駄にしないリセット術
今回は、筋トレ民にとって最大の敵とも言える「飲み会」を、いかに賢く乗り越え、リカバリーするかについて徹底解説しました。
重要なポイントを最後におさらいします。
- 当日の戦略:お酒は「蒸留酒(ハイボール等)」を選び、おつまみは「タンパク質・食物繊維(枝豆・刺身等)」から食べる。「揚げ物+炭水化物」は徹底回避する。
- 翌日のリセット:最優先は「水分」と「ビタミンB群」の補給。朝は消化の良いタンパク質、昼は良質な炭水化物、夜は高タンパク・低脂質で帳尻を合わせる。
- トレーニング:翌日は「勇気あるオフ」。回復を最優先し、再開は軽い運動から。
- メンタル:完璧を目指さず、「メンタルのチートデイ」と捉えて長期的な継続を目指す。
正しい知識という鎧さえ身につければ、飲み会はもはや恐れるに足りません。
ストレスフリーなトレーニーライフを送るために、ぜひこの「リセット術」を実践してみてください。
あなたの努力は、たった一度の飲み会ごときで無駄にはならないのですから。