「24時間ジムって安いけど、スタッフがいないんでしょ?初心者じゃ無理かな…」
「エニタイムに入会したけど、夜に行ったら混みすぎてて最悪だった。パワーラック全然空かないし…」
「マシンの使い方、誰にも聞けないし、他の人のマナーも悪い。もう辞めようかな…」
「安くて、いつでも行ける」という圧倒的な魅力で、多くのトレーニーに選ばれている24時間ジム。
しかし、その魅力的なメリットの裏には、「スタッフがいない(放置)」「異常な混雑」「マナー問題」といった、特有の深刻なデメリットが潜んでいます。
「安いから」という理由だけで飛びつき、このデメリットの罠にはまってしまい、「入会したけど、結局行かなくなった…」と後悔している人は少なくありません。
24時間ジムは、良くも悪くも「使い手を選ぶ」ジムなのです。
「放置」環境でも確実に成果を出し、「混雑」を避けて快適にトレーニングするコツを知り、最強のコストパフォーマンスを実現しましょう。

この記事でわかること
- 24時間ジムが持つ本当のメリットと、知っておくべき深刻なデメリット
- スタッフがいない「放置」環境で、初心者が挫折しないための3つの具体策
- 激しい「混雑」を回避し、快適にトレーニングするための賢者の時間戦略
24時間ジム(エニタイム等)の「5つのメリット」
まずは、24時間ジムがなぜこれほどまでに支持されているのか、その圧倒的なメリットを再確認しましょう。
これらがあなたの目的に合致するなら、24時間ジムは最高のパートナーになります。
① 圧倒的な「時間の自由」:深夜・早朝でもトレーニング可能
最大のメリットは、言うまでもなく「時間の自由」です。
総合フィットネスクラブのように「23時に閉館」という時間制限がありません。
「出勤前の早朝5時」「仕事が長引いた深夜24時」など、あなたのライフスタイルに合わせて、365日いつでもトレーニングが可能です。
この自由度は、他のジム形態にはない絶対的な強みです。
② 最高の「コストパフォーマンス」:月額料金の安さ
月額料金は7,000円〜10,000円程度が相場。
プールやスタジオ、豪華な風呂などの「使わない設備」にお金を払う必要がないため、総合ジムに比べて月額数千円も安価です。
「トレーニングさえできればいい」と考える人にとって、これ以上ないコストパフォーマンスを誇ります。
③ 「フリーウェイト」の充実度(中級者以上に最適)
多くの24時間ジムは、少数精鋭のマシンと、充実した「フリーウェイトエリア」に特化しています。
パワーラック(スクワットやベンチプレスができる器具)が複数台設置され、高重量のダンベルが揃っている店舗も多く、本格的に筋肥大を目指す中級者〜上級者にとって、最高の環境が整っています。
④ 「相互利用」システム:全国・世界中の店舗が利用可能
エニタイムフィットネスやJoyfit24などの大手チェーンは、「相互利用(他店舗利用)」システムを採用しています。
一度入会すれば、あなたが契約した店舗だけでなく、全国(あるいは世界中)の系列店舗を追加料金なしで利用できます。
「平日は職場の近く、休日は自宅の近く」といった、究極に無駄のない使い方が可能です。
⑤ 「人間関係」のストレスフリー(黙々と集中できる)
スタッフがほぼおらず、利用者も「黙々とトレーニングしに来ている」人が多いため、不要なコミュニケーションが発生しません。
「スタッフに話しかけられるのが面倒」「スタジオの輪に入るのが苦手」という人にとって、誰にも干渉されず、自分の世界に入ってトレーニングに没頭できる環境は、大きなメリットと言えます。
知らなきゃ地獄。24時間ジムの「5つのデメリット(罠)」
メリットばかりに目が行きがちですが、その裏側にある「デメリット(罠)」を知らなければ、入会後に必ず後悔します。
① 「完全放置」:マシンの使い方を誰も教えてくれない
これが、初心者が挫折する最大の原因です。
24時間ジムは、基本的に「セルフサービス」。
マシンの使い方や、正しいフォームを教えてくれるスタッフは常駐していません。
「これ、どう使うんだ…?」と途方に暮れ、間違ったフォームで体を痛めたり、効果が出ずに挫折したりするケースが後を絶ちません。
② 「混雑」の激化:ゴールデンタイムはマシン待ちが発生
人気があることの裏返しですが、「混雑」は深刻な問題です。
特に、平日の19時〜22時頃のゴールデンタイムは、パワーラックや人気のマシンに長蛇の列(待ち)が発生することも珍しくありません。
「トレーニング時間より、待ってる時間の方が長い」という本末転倒な事態に陥り、ストレスで通うのが嫌になる人も多いです。
③ 「マナー・民度」の問題:器具を片付けない、占領する人
スタッフの監視の目がないため、利用者の「マナー(民度)」に依存する部分が大きくなります。
・使ったダンベルやプレートを片付けない。
・スマホをいじりながら、マシンやラックを長時間占領する(インターバルが長すぎる)。
・汗を拭かずにマシンを去る。
こうしたマナー違反者に遭遇する確率が、他のジムより高いことは覚悟しておく必要があります。
④ 「シャワーのみ」:風呂やサウナはない
コストを削減しているため、設備は最低限です。
個室シャワーは完備されていますが、総合ジムのような大きなお風呂、サウナ、リラクゼーションルームはありません。
「トレーニング後に、湯船に浸かってリフレッシュしたい」という人には、致命的なデメリットとなります。
⑤ 「セキュリティ」の不安(特に女性)
スタッフがいない深夜・早朝は、利用者も少なく、セキュリティ面での不安を感じる人もいます。
もちろん、防犯カメラや緊急通報ボタンは設置されていますが、特に女性が深夜に一人で利用する場合は、店舗の立地(大通りに面しているか、人目があるかなど)をよく確認する必要があります。
「混雑」で心が折れた、平日の夜
僕は、フリーウェイトが充実していると評判のエニタイムに入会しました。
仕事が終わり、一番やる気に満ちている19時半にジムへ。
しかし、そこは戦場でした。
パワーラックは3人待ち、ベンチプレスも埋まっている。
ダンベルエリアも人でごった返し、やりたい種目が何もできない。
結局、空いていた数台のマシンを触り、ストレッチをして帰ることに。
「何のために月8,000円払ってるんだ…」。
それが1週間続き、僕のやる気は完全に打ち砕かれました。
僕の「行ける時間」と、ジムの「メリット」が、最悪の形で噛み合っていなかったのです。
この失敗から、僕は「時間をずらす」戦略を学び、今では誰もいない早朝5時にトレーニングする「朝活派」に転身しました。
【初心者向け】「放置」環境で挫折しないための3つの解決策
「じゃあ、初心者は24時間ジムに入っちゃダメなの?」
いいえ、そんなことはありません。
「放置」というデメリットを、以下の3つの方法で解決すれば良いのです。
① 入会後、数回だけ「パーソナルトレーナー」をスポットで雇う
これが最も賢く、確実な方法です。
多くの24時間ジムは、外部のパーソナルトレーナーと業務提携しています。
入会後の最初の数回(例:4回コースなど)だけ、スポットでパーソナル指導を申し込みましょう。
そこで「マシンの使い方」と「基本的なBIG3のフォーム」だけを集中して教えてもらうのです。
最初に「正しい使い方」さえ学んでしまえば、その後の「放置」環境は、むしろ「自由な練習場」に変わります。
② Youtubeの「トレーニング動画」で使い方を徹底予習する
今は、YouTubeにトッププロが教える「マシンの使い方」動画が溢れています。
ジムに行く前に、「(鍛えたい部位) マシン 使い方」(例:チェストプレス 使い方)と検索し、徹底的に予習しておきましょう。
ジムではその動画を見ながら、軽い重量でフォームを確認する。
これを繰り返せば、トレーナーがいなくても独学で習得可能です。
③ 「スタッフアワー(清掃時間)」を狙って質問する
24時間ジムにも、日中の数時間だけ、清掃や事務作業を行う「スタッフアワー」が設けられています。
彼らは指導専門のトレーナーではありませんが、マシンの基本的な使い方程度なら教えてくれる場合がほとんどです。
どうしても聞きたいことがある場合は、この時間を狙って訪問しましょう。
【中級者向け】24時間ジムを使い倒す「賢者の活用術」
24時間ジムのポテンシャルを最大限に引き出す、中級者向けの「賢い」使い方をご紹介します。
① 最強の「時間ずらし戦略」:混雑マップを使いこなす
最大の敵「混雑」は、時間をずらせば100%回避できます。
・狙い目①:早朝(5時〜7時)
出勤前の人が利用するが、夜の混雑とは比較にならない。
最も集中できる「神タイム」。
・狙い目②:深夜(23時〜)
終電を逃した人、夜型の人しかおらず、快適。
・狙い目③:昼間(10時〜17時)
学生や主婦、フリーランスの人が中心で、比較的空いている。
多くの24時間ジムは、アプリなどで「リアルタイム混雑状況」を公開しています。
これと自分のスケジュールを照らし合わせ、「空いている時間」を狙い撃ちするのが賢者の戦略です。
② 「相互利用」を使いこなし、空いている穴場店舗を探す
「駅前の店舗は常に混んでいるが、一駅隣の店舗はガラガラ」ということは、よくあります。
「相互利用」システムをフル活用し、自分の生活圏内にある複数の店舗の「混雑度」や「設備」をリサーチしましょう。
「今日は胸トレだから、パワーラックが3台あるA店へ」「今日は脚トレだから、レッグプレスが強いB店へ」といった、上級者の使い分けも可能です。
③ 「スーパーセット」を活用し、混雑時でも効率を上げる
どうしても混雑時にしか行けない場合。
1つのマシンに固執せず、複数の種目を組み合わせる「スーパーセット」などで効率を上げましょう。
(例:ダンベルプレス(胸)→(インターバル)→ダンベルローイング(背中)→(インターバル)→ダンベルプレス…)
また、パワーラックが空いていなくても、ダンベルだけで全身を鍛える技術を身につけておけば、混雑は怖くありません。
「放置」環境が、僕を「自走できる」トレーニーに変えた
僕は、パーソナルジムで「正しいフォーム」と「食事管理」の基礎を学んだ後、コストを抑えるために24時間ジムに移籍しました。
最初は、誰も教えてくれない「放置」環境に不安もありました。
しかし、パーソナルで学んだ「基礎」があったため、僕は自分でメニューを組み、YouTubeで新しい種目を学び、それを実践する、という「PDCA」を回すことができました。
「この種目は、この角度の方が背中に入るな」
「このマシンの軌道は、自分の骨格に合っている」
試行錯誤を繰り返すうちに、僕は「誰かに教わる」のではなく、「自分で考えて成長する」ことの楽しさを知りました。
24時間ジムの「放置」環境は、トレーナーに依存していた僕を、「自走できる」本物のトレーニーに変えてくれたのです。
基礎さえあれば、あの環境は「放置」ではなく、最高の「実験場」です。
幽霊会員にならないために。24時間ジムが向いている人・向いていない人
ここまで読んだあなたは、自分が24時間ジムに向いているか、冷静に判断できるはずです。
向いている人:自己管理できる人、中級者、コスト重視の人
・自分でトレーニングメニューを組み、YouTubeなどで学ぶ「自己管理能力」がある人。
・すでに他のジムやパーソナルで「基礎」を学んだ中級者〜上級者。
・早朝や深夜など、不規則な時間にトレーニングしたい人。
・風呂やスタジオは不要で、「コスト」と「フリーウェイト設備」を最重視する人。
向いていない人:手取り足取り教わりたい初心者、モチベーションが続かない人
・「何から手をつけていいか全く分からない」完全な初心者。
・自分一人ではモチベーションが続かず、誰かに管理してもらわないとサボってしまう人。
・風呂やサウナ、スタジオプログラムも楽しみたい人。
・混雑やマナーの悪さに強いストレスを感じる人。
まとめ:24時間ジムは「使い手を選ぶ」。賢く活用しコスパ最強の筋トレライフを
24時間ジムは、素晴らしい「自由」と「コストパフォーマンス」を提供してくれる反面、利用者の「自己管理能力」と「リテラシー」を要求する、上級者向けの側面も持つジムです。
最後に、24時間ジムを使い倒すための鉄則をまとめます。
- 「放置」対策:初心者は、最初だけパーソナルを雇うか、YouTubeで徹底的に予習する。
- 「混雑」対策:アプリで混雑状況を確認し、「早朝」や「昼間」など、空いている時間を狙い撃ちする。
- 「マナー」対策:マナーの悪い店舗は避け、「相互利用」で快適な穴場店舗を探す。
- 「目的」の確認:自分は「放置」環境で「自己管理」できるか?と自問する。
できないなら、総合ジムかパーソナルジムを選ぶべき。
24時間ジムのデメリットを理解し、それを回避する「賢さ」さえ持っていれば、これほどコストパフォーマンスに優れた環境はありません。


