「減量を始めたいけど、脂質を抜くのと糖質を抜くの、結局どっちがいいの?」
「ケトジェニックの方が早く痩せるって聞くけど、お肉ばかり食べるのは怖い…」
「筋肉を落とさずに、バキバキに絞れる最強の食事法を知りたい!」
本格的な減量やダイエットを志す時、トレーニーが最初にぶつかる最大の壁。
それが「ローファット(脂質制限)」にするか、「ケトジェニック(糖質制限)」にするかという、究極の二択です。
SNSやネット上では、「糖質制限こそ最強!」という声もあれば、「いやいや、日本人はお米を食べて痩せるローファット一択だ」という意見もあり、情報が錯綜しています。
結論から言えば、どちらも正しく行えば痩せますし、どちらも間違ったやり方をすれば筋肉を失います。
重要なのは、「どっちが優れているか」ではなく、「どっちがあなたの体質とライフスタイルに合っているか」を見極めることです。
この記事では、この二大減量法のメカニズム、メリット・デメリット、具体的な食事メニューを徹底比較し、あなたが選ぶべき「正解」を導き出します。
迷っている時間はもったいないです。
この記事でわかること
- ローファットとケトジェニック、それぞれの科学的メカニズムと向いている人
- 筋肉を残して脂肪だけを削ぐための具体的なPFCバランスと食材リスト
- 迷った時のセルフチェック診断と、停滞期を打破する切り替えテクニック
結論:どちらが痩せる?正解は「あなたの体質とライフスタイル」次第

まず、残酷な真実をお伝えしなければなりません。
「こっちを選べば、好きなだけ食べても魔法のように痩せる」という方法は存在しません。
「カロリー収支」の原則はどちらも同じ
ローファットだろうがケトジェニックだろうが、ダイエットの大原則は一つです。
アンダーカロリー(摂取カロリー < 消費カロリー)の状態を作ること。
これ以外に脂肪が減ることは物理的にあり得ません。
魔法のようなダイエット法は存在しない
「ケトジェニックならカロリー計算不要」という噂がありますが、それは間違いです。
いくら糖質を抜いても、脂質を摂りすぎてオーバーカロリーになれば太ります。
アンダーカロリーを作るための「アプローチ」が違うだけ
両者の違いは、「脂質を削ってカロリーを下げるか(ローファット)」、「糖質を削ってカロリーを下げるか(ケトジェニック)」という、アプローチの違いに過ぎません。
しかし、エネルギー源を何にするかによって、体感や続けやすさは天と地ほど異なります。
【比較表】ローファットとケトジェニックの決定的な違い
この2つは、体の動かし方(エンジンの種類)そのものを変えるアプローチです。
エネルギー源(糖質 vs ケトン体)
ローファット:通常のハイブリッド車と同じ。
炭水化物(糖質)をガソリンとして体を動かします。
ケトジェニック:電気自動車に改造するようなもの。
糖質を枯渇させ、脂肪から作られる「ケトン体」をメインエネルギーとして動く体に変化させます(ケトーシス)。
PFCバランスの黄金比率比較
ローファットのPFC例:
P(タンパク質):30%
F(脂質):10〜20%
C(炭水化物):50〜60%
ケトジェニックのPFC例:
P(タンパク質):30%
F(脂質):60〜65%
C(炭水化物):5〜10%(限りなくゼロに近づける)
見ての通り、真逆の栄養バランスになります。
減量のスピードと体感の違い
ローファット:緩やかに、着実に体重が減っていく。
元気が出るが、空腹感を感じやすい。
ケトジェニック:開始直後にストンと落ちる(水分)。
空腹感は少ないが、導入期にだるさ(ケトフル)を感じやすい。
王道の「ローファットダイエット(脂質制限)」を完全攻略

まずは、ボディビルやフィジークの選手など、多くの筋肉系アスリートが採用している王道、「ローファット」から深掘りします。
ローファットの仕組みとメリット
脂質は1gあたり9kcalと、タンパク質や炭水化物(4kcal)の倍以上のカロリーがあります。
この脂質をカットすることで、効率よく摂取カロリーを減らしつつ、ご飯などの主食はしっかり食べてエネルギーを確保する方法です。
炭水化物をエネルギーにして動く、人間に自然なスタイル
お米を主食としてきた日本人にとって、最も馴染みやすく、体への負担が少ない方法です。
脳のエネルギーであるブドウ糖が枯渇しないため、仕事や勉強への集中力も維持しやすいのが特徴です。
「筋分解」が起きにくい(インスリンの同化作用)
炭水化物を摂取すると分泌されるホルモン「インスリン」には、筋肉の合成を助け、分解を防ぐ強力な作用があります。
筋肉を守りながら脂肪を落としたいなら、ローファットは非常に理にかなっています。
食費が安く済み、外食(和食・寿司)の選択肢も広い
お米、うどん、鶏胸肉、卵。
これらは安価で手に入ります。
また、外食でも「大戸屋」のような定食屋や、回転寿司(ネタを選ぶ)に行けるため、社会生活との両立が容易です。
ローファットが向いている人
- ご飯、パン、麺類、和菓子が大好きな人
- 食費を安く抑えたい人
- 高強度の筋トレを行っており、パワーダウンしたくない人
- 長期間(3ヶ月以上)かけて、健康的に絞りたい人
特に「筋トレのパフォーマンス維持」を最優先するなら、ローファットが無難です。
実践!ローファットの具体的な食事メニューと注意点
「脂質を減らす」と言っても、完全にゼロにしてはいけません。
脂質は「総カロリーの15〜20%」までカットする
脂質を抜きすぎると、テストステロンなどのホルモンが作れなくなり、筋肥大が止まったり、肌がカサカサになったりします。
最低でも総カロリーの15%は確保しましょう。
調理油をカットし、揚げ物を避けるだけで自然と達成できます。
食べていい脂質(魚、卵)と避けるべき脂質(揚げ物、洋菓子)
同じ脂質でも「質」を選びます。
青魚(サバ、イワシ)に含まれるオメガ3脂肪酸や、卵の脂質は積極的に摂りましょう。
逆に、サラダ油、バター、洋菓子に含まれる脂質はNGです。
陥りがちな罠:「脂質ゼロ」を目指して肌や髪がボロボロに
ストイックになりすぎて「ササミとブロッコリーと白米だけ」という生活を続けると、必ず体調を崩します。
適度に全卵やアボカドを取り入れ、脂質の摂取源を確保することが成功の鍵です。
短期決戦の「ケトジェニックダイエット(糖質制限)」を完全攻略

次に、近年爆発的な人気を誇る「ケトジェニック」です。
単なる糖質制限よりもさらに厳格な方法ですが、その効果は劇的です。
ケトジェニックの仕組みとメリット
糖質を極限までカットすることで、体内の糖エネルギーを枯渇させます。
すると体は緊急用エネルギーとして、体脂肪を分解して肝臓で「ケトン体」を作り出します。
この「脂肪燃焼モード」に体を切り替えるのがケトジェニックです。
脂肪をエネルギーにする「ケトーシス」状態とは
一度ケトーシス(ケトン体回路)に入ると、体は24時間、自分の体脂肪をエネルギーとして使い続けます。
寝ていても脂肪が燃える、まさに「脂肪燃焼のボーナスタイム」です。
空腹感が驚くほど消える(血糖値が乱高下しない)
糖質を摂らないため、血糖値の乱高下が起きません。
血糖値が下がった時に感じる「偽の空腹感」がなくなり、食欲が驚くほど安定します。
「空腹に耐えるのが辛い」という人には最強のメリットです。
開始直後の体重減少スピードが速い(水分の抜け)
開始1週間で2〜3kg落ちることもザラですが、これは脂肪ではなく、糖質と結びついていた「水分」が抜けただけです。
しかし、初期に数字が動くことはモチベーション維持に大きく貢献します。
ケトジェニックが向いている人
- お肉、チーズ、マヨネーズ、卵が大好きな人
- 短期間(1〜2ヶ月)で一気に結果を出したい人
- 空腹感に弱く、つい間食してしまう人
- 食後に眠くなる、日中の集中力低下に悩んでいる人
「お米さえ我慢できれば、ステーキもチーズも食べていい」という天国のようなダイエットでもあります。
実践!ケトジェニックの具体的な食事メニューと注意点
ケトジェニックは中途半端が一番危険です。
やるなら徹底的にやる必要があります。
糖質は1日「50g以下(可能なら20g以下)」に抑える厳格さ
おにぎり1個でアウトです。
根菜類(人参、じゃがいも)や、調味料(みりん、ケチャップ)に含まれる糖質にも注意が必要です。
主食は完全にカットし、葉物野菜やキノコから少量の糖質を摂る程度に留めます。
脂質を恐れずに摂る(MCTオイルの活用が必須)
初心者が失敗する最大の原因が「脂質不足」です。
糖質をカットしたのに脂質も怖がって摂らないと、ただのカロリー不足(飢餓)になり、筋肉が分解され、代謝が落ちます。
肉の脂身、魚、卵、アボカド、ナッツ、チーズ、マヨネーズを大量に食べます。
特に「MCTオイル(中鎖脂肪酸)」は、素早くケトン体に変わるため、コーヒーやサラダにかけて積極的に摂取することが必須です。
「ケトフル(体調不良)」の乗り越え方と水分・塩分補給
導入期の数日間、頭痛やだるさを感じる「ケトフル」という症状が出ることがあります。
これは水分とミネラル不足が原因です。
糖質制限中は水分が抜けやすいため、いつも以上に水を飲み、塩分(良質な塩)もしっかり摂ることで防げます。
エピソード:お米大好きマンの僕が「ケト」に挑戦して地獄を見た話
僕は無類の白米好きですが、「早く痩せたい」一心で流行りのケトジェニックに挑戦しました。初日はステーキが食べられて天国でしたが、3日目から猛烈な「お米食べたい欲」に襲われました。頭の中は茶碗一杯の白米でいっぱい。脂っこい食事にも胃がもたれ、力が出ず、ジムでのベンチプレスも重量が激減。結局1週間で我慢できずにラーメン屋に駆け込み、リバウンドしました。その後、大人しくローファットに切り替えたところ、おにぎりを食べながらストレスなく3ヶ月で-5kgを達成。自分に合わない方法を選ぶことが、これほど辛いとは思いませんでした。
結局どっち?迷った時のための「セルフチェック診断」

ここまで読んでも迷っているあなたのために、どちらを選ぶべきかの判断基準を用意しました。
チェック1:あなたの「好物」はどっちグループ?
ダイエットは「我慢」の総量を減らすゲームです。
好きなものが食べられる方を選びましょう。
A:白米、パスタ、和菓子、果物 → ローファット
炭水化物がないと人生の楽しみがない人は、迷わずローファットです。
B:焼肉、チーズ、ナッツ、揚げ物 → ケトジェニック
ご飯はなくても平気だけど、脂っこいおかずやお酒(ハイボール、焼酎)のつまみが欲しい人は、ケトジェニックが天職かもしれません。
チェック2:あなたの「性格」と「環境」は?
ライフスタイルとの親和性も重要です。
A:自炊は面倒、コンビニで済ませたい、付き合いの飲み会が多い → ローファット
コンビニのおにぎりやサラダチキンで済ませやすく、飲み会でも「刺身と枝豆」などで対応しやすいのはローファットです。
B:自炊が好き、ルールは厳格に守れる、短期間なら我慢できる → ケトジェニック
MCTオイルを持ち歩いたり、裏面の成分表示を細かくチェックしたりするマメさが必要です。
また、外食ではステーキや焼き鳥(塩)など選択肢が限られるため、ある程度の環境調整能力が求められます。
プロのおすすめ:「スイッチング」という上級テクニック
実は、どちらか一つに絞る必要はありません。
停滞したら切り替える(代謝への刺激)
ずっと同じダイエットを続けていると、体は慣れて停滞します。
そんな時、ローファットからケトジェニックへ、あるいはその逆へと切り替えることで、体に新しい刺激を与え、停滞を打破することができます。
ケトジェニック導入(2ヶ月)→ローファット移行(長期)の黄金ルート
おすすめは、最初の1〜2ヶ月をケトジェニックで行い、脂肪燃焼回路を一気に回して体重を落とします。
その後、徐々に炭水化物を戻しながらローファットに移行し、長期間維持する方法です。
これなら、ケトジェニックの「速効性」とローファットの「持続性」のいいとこ取りが可能です。
減量を成功させるための共通ルール(これだけは守れ)

どちらの方法を選んだとしても、以下の3つのルールだけは絶対に守ってください。
これを守らないと、ただ筋肉が落ちて代謝が下がるだけの「失敗ダイエット」になります。
タンパク質(Protein)は常に「体重×2g」以上をキープ
カロリーが不足している減量中こそ、筋肉の材料であるタンパク質は必須です。
体重60kgなら120g以上。
鶏胸肉、魚、プロテインを活用し、これは絶対死守してください。
野菜(食物繊維)を疎かにしない
食事量が減ると便秘になりやすくなります。
特にケトジェニック中は穀物からの食物繊維がゼロになるため、キノコ、海藻、葉物野菜を大量に食べる必要があります。
腸内環境の悪化は、ダイエットの停滞に直結します。
サプリメントを賢く活用する
食事制限で不足する栄養素はサプリで補います。
ローファット向け:マルチビタミン、EAA/BCAA
脂質を減らすと脂溶性ビタミンの吸収が悪くなるため、マルチビタミンミネラルを。
また、トレーニング中のエネルギー切れを防ぐためにEAAなどのアミノ酸を活用しましょう。
ケトジェニック向け:MCTオイル、BHB、消化酵素
MCTオイルは必須。
外からケトン体を補給する「BHB」サプリも導入期の辛さを和らげます。
また、大量の脂質消化を助けるために、消化酵素(リパーゼなど)を摂ると胃もたれを防げます。
エピソード:結婚式1ヶ月前、最後の賭けで「スイッチング」に成功した花嫁
私のクライアントの女性は、ローファットで順調に痩せていましたが、結婚式の1ヶ月前に停滞期に入り、あと2kgがどうしても落ちなくなりました。「二の腕をあと少し細くしたい!」という彼女の願いを叶えるため、残り3週間で「ケトジェニック」への切り替えを提案しました。最初は不安そうでしたが、MCTオイルとサーモン中心の食事に変えたところ、停滞していた体重が再び動き出しました。結果、当日までに目標の-2kgを達成。さらに「肌のツヤが良くなった気がする」という嬉しいおまけ付き。体への刺激を変えることの重要性を再確認した事例でした。
食事法に関するよくある質問(Q&A)

最後に、ローファットとケトジェニックに関する素朴な疑問にお答えします。
Q. ローファット中にアボカドやナッツは食べていいですか?
A. 食べてもいいですが、量に注意です。
これらは「良質な脂質」ですが、カロリーは高いです。
1日の中で脂質摂取量が総カロリーの20%を超えない範囲であればOKです。
アボカドなら1/4個、ナッツなら数粒程度に留めるのが無難です。
Q. ケトジェニック中にプロテインは飲んでいいですか?
A. 基本的にはOKですが、成分表を見てください。
糖質が多く含まれているプロテインはNGです。
「WPI(ホエイプロテインアイソレート)」など、糖質が除去された純度の高いものを選びましょう。
また、牛乳ではなく水やアーモンドミルクで割ってください。
Q. 筋トレ前後の食事(カーボ)はどうすればいいですか?
A. ローファットの場合は、トレーニング前後に炭水化物(おにぎり、和菓子、マルトデキストリン)を集中して摂ることで、パフォーマンスを維持できます。
ケトジェニックの場合は、カーボは摂れませんので、トレーニング前にMCTオイルやブラックコーヒーを摂取し、ケトン体エネルギーを高めておくのが有効です。
Q. どちらの方法も試しましたが痩せません。なぜですか?
A. 十中八九、「食べ過ぎ(オーバーカロリー)」です。
「脂質を抜いたからご飯は無限に食べていい」「糖質を抜いたからステーキは無限に食べていい」と勘違いしていませんか?
どちらの方法も、最終的にはカロリー収支の範囲内でしか痩せません。
一度、食事記録アプリなどで、自分が食べている正確なカロリーとPFCバランスを確認してみてください。
まとめ:方法は違えど、ゴールは同じ。「続けられる方」が最強のダイエット

ローファットか、ケトジェニックか。
その答えは、教科書の中ではなく、あなたの「好み」と「生活」の中にあります。
どちらの方法も、科学的に証明された素晴らしい減量法です。
優劣をつける必要はありません。
大切なのは、「これなら3ヶ月続けられる」と心から思える方を選ぶことです。
ストレスなく続けられる方法こそが、あなたにとっての「最強のダイエット法」です。




