「ジムで汗を流した後のビール、これが最高なんだよなぁ……でも、筋肉には悪いんだよなぁ」
「付き合いの飲み会が続いて、せっかく鍛えた筋肉が落ちていないか心配……」
「トレーナーには禁酒しろと言われたけど、正直、お酒なしの人生なんて考えられない!」
あなたは今、そんなジレンマに苦しんでいませんか?
「筋トレ中は一滴も飲んではいけない」というストイックな意見もありますが、私たち一般のトレーニーにとって、それは現実的ではありません。
ストレスでコルチゾール(筋肉分解ホルモン)が溜まるくらいなら、賢く飲んで発散した方がマシな場合さえあります。
朗報です。
種類とタイミング、そして「つまみ」の選び方さえ間違えなければ、お酒と筋肉は共存できます。
この記事では、筋肉へのダメージを最小限に抑えながら、美味しくお酒を楽しむための「ハーム・リダクション(害の低減)」テクニックを伝授します。
この記事でわかること
- なぜお酒で筋肉が減るのか?その科学的メカニズムと「飲んでいい量」の目安
- ビール腹を回避せよ!「太る酒」と「痩せる酒」の決定的な違い
- 飲み会の翌日に筋肉を守るための、最強のリカバリー・ロードマップ
そもそも、なぜ「筋トレに酒はNG」と言われるのか?知っておくべき2つのデメリット

対策を立てるには、まず「敵」を知る必要があります。
アルコールが筋肉に与える悪影響は、主に「ホルモンバランスの乱れ」と「代謝の優先順位」にあります。
筋肉の合成率が30%低下?「コルチゾール」と「テストステロン」の関係
研究によると、アルコールを摂取すると、筋肉を大きくするホルモン「テストステロン」の分泌量が減少することが分かっています。
さらに悪いことに、筋肉を分解するストレスホルモン「コルチゾール」の分泌が増加します。
あるデータでは、トレーニング後に大量飲酒をした場合、筋肉の合成率が最大で30%ほど低下するという報告もあります。
つまり、「アクセル(合成)」が弱まり、「ブレーキ(分解)」が強く踏まれてしまう状態。
これが「筋トレ後の酒は水の泡」と言われる所以です。
「お酒はエンプティカロリー(空っぽのカロリー)だから太らない」という説を聞いたことはありませんか?
これは半分正解で、半分間違いです。
確かにアルコールのカロリーは優先的に熱として消費され、脂肪にはなりにくい性質があります。
しかし、ここが最大の罠です。
肝臓が全力でアルコールの毒素分解(解毒)を行っている間、同時に摂取した「おつまみ(唐揚げやポテト)」の脂質や糖質の代謝はストップし、そのすべてが体脂肪として蓄積されてしまうのです。
「酒で太る」のではなく、「酒と一緒に食べたもので太る」のが真実です。
蒸留酒を味方にせよ!「太る酒」と「太らない酒」の境界線

では、何を飲めばいいのか。
鉄則は「醸造酒」を避け、「蒸留酒」を選ぶことです。
ビール・日本酒・ワインは「飲む炭水化物」と思え
ビール、日本酒、ワインなどの「醸造酒」は、原料である麦や米の糖質が多く残っています。
中ジョッキ1杯のビールには、角砂糖約3〜4個分の糖質が含まれています。
「とりあえず生!」で何杯も飲むのは、液体状のパンを食べているようなもの。
血糖値が急上昇し、インスリンが分泌され、脂肪がつきやすい環境を一瞬で作ってしまいます。
最強の味方はハイボール(ウイスキー)と焼酎。糖質ゼロの恩恵
一方、ウイスキーや焼酎、ウォッカなどの「蒸留酒」は、製造過程で糖質が取り除かれています。
つまり、アルコール自体のカロリーはあるものの、糖質は実質ゼロ。
筋トレ民がこぞってハイボールを注文するのは、これが理由です。
蒸留酒であれば、インスリンの分泌を抑えられるため、醸造酒に比べて太りにくいと言えます。
割り材に注意!コーラ割りやトニックウォーターは「砂糖水」と同じ
せっかく蒸留酒を選んでも、割り材で失敗してはいけません。
コークハイ、ジンジャーハイ、ジントニック、カシスオレンジ。
これらに使われるジュースやトニックウォーターには、大量の砂糖が含まれています。
選ぶべきは「水割り」「ソーダ割り(炭酸水)」「お茶割り(ウーロンハイ・緑茶ハイ)」の3択です。
レモンやライムを生搾りするのはOKです。
【体験談】「とりあえず生!」を辞めただけで、半年で腹筋が浮き出てきた営業マンの話

「我慢」ではなく「銘柄変更」で勝つ
食品メーカーの営業職、Hさん(31歳)は、顧客との接待や同僚との飲み会が週3回はある生活を送っていました。
ジムには通っていましたが、お腹周りの脂肪(浮き輪肉)が全く落ちず、トレーナーからは「お酒を控えないと無理ですね」と宣告されていました。
しかし、仕事の付き合いで「飲まない」という選択肢はありません。
そこでHさんは、飲む量は変えずに「種類」だけを徹底的に変える作戦に出ました。
乾杯の1杯目だけは空気を読んで小グラスのビールに付き合いますが、2杯目からは必ず「ハイボール」か「芋焼酎の水割り」を注文。
さらに、チェイサー(水)を必ず頼むようにしました。
すると、翌日のむくみが劇的に減り、代謝が落ちなくなったことで、停滞していた体重が動き始めました。
半年後、飲み会の頻度は変わっていないのに、Hさんの腹筋はうっすらと割れ始めました。
「好きなだけ飲んでも、選び方ひとつでこんなに変わるんですね」と、Hさんはハイボール片手に笑います。
敵は酒ではない、「つまみ」だ!肝臓を休ませるための食事戦略

前述の通り、アルコール摂取時の肝臓は「解毒モード」です。
この時に高脂質なものを食べると、即座に脂肪になります。
つまり、お酒を飲む時のつまみは「低脂質」が絶対条件です。
肝臓はアルコール分解で手一杯。その隙に「脂質」が体脂肪に変わる
揚げ物(唐揚げ、フライドポテト、串カツ)は最悪の相性です。
油とアルコールのダブルパンチは、肝臓に過大な負担をかけ、分解しきれないエネルギーを内臓脂肪として蓄積させます。
「酒を飲むなら脂は切れ」。
これを合言葉にしてください。
「唐揚げ・ポテト」は最悪の相性。選ぶべきは「枝豆・刺身・冷奴」
居酒屋で頼むべき「筋肉を守るおつまみ」は以下の通りです。
- 枝豆:植物性タンパク質と、アルコール分解を助けるメチオニンが豊富。
- 刺身・焼き魚:良質なタンパク質とオメガ3脂肪酸。醤油のつけすぎには注意。
- 冷奴・だし巻き卵:低脂質で高タンパクの王道。
- 焼き鳥(塩):タレは糖質が多いので塩を選ぶ。皮やぼんじりは避ける。
締めのラーメンがあなたをデブにする本当の理由
お酒を飲むと、肝臓がアルコール分解に糖を使うため、一時的に低血糖状態になり、脳が「炭水化物が欲しい!」と強烈な指令を出します。
これが「締めのラーメン」の正体です。
しかし、解毒で手一杯の肝臓に、脂と糖質の塊であるラーメンを流し込めば、それは100%脂肪になります。
この誘惑に勝つには、飲み会の最中に少しだけおにぎりや焼きおにぎりを食べておくか、帰りにコンビニで味噌汁を買って飲むことです。
締めのラーメンは、ボディメイクにおける「自殺行為」です。
筋肉を守るための「飲むタイミング」と「ドーピング(サプリ)」

飲むなら、ダメージを最小限にするタイミングと準備が必要です。
「筋トレ直後」だけは避けろ!ゴールデンタイムを無駄にしないために
筋トレ直後の1〜2時間は、筋肉が栄養を吸収しようとするゴールデンタイムです。
このタイミングでアルコールを入れると、栄養の吸収が阻害され、脱水も進みます。
どうしても飲む必要がある日は、トレーニングを「朝」にするか、あるいは「オフの日」に飲むのがベストです。
トレーニング直後の飲み会だけは、何としても避けてください。
アルコールと同量の「水」を飲め。脱水こそが筋肉分解のトリガー
アルコールには利尿作用があります。
ビールを1リットル飲むと、1.1リットルの水分が尿として排出されると言われています。
筋肉の約75%は水分です。
体が脱水状態になると、筋肉への栄養運搬が滞り、分解が進んでしまいます。
「お酒を一口飲んだら、水も一口飲む」。
この1対1の法則を守るだけで、翌日のダメージと筋肉分解のリスクは半減します。
飲む前のプロテイン摂取が、血中アミノ酸濃度を維持する盾になる
飲み会に行く前に、プロテインを一杯飲んでおきましょう。
お腹に少し物を入れておくことでアルコールの吸収を穏やかにするだけでなく、血中のアミノ酸濃度を高めておくことで、筋肉の分解(カタボリック)を防ぐ「盾」になります。
コンビニの「プロテインバー」を一本かじるだけでも効果的です。
【体験談】接待続きの経営者が、飲み会を「筋肉維持の場」に変えた思考法

店選びの主導権を握れば、接待は「チートデイ」になる
IT企業を経営するIさん(45歳)は、会食も仕事のうちと割り切っていますが、体型維持への意識は人一倍高い人物です。
Iさんの秘訣は、「店選びの主導権を自分で握る」こと。
「美味しい焼き鳥屋を知っているんです」「新鮮な魚が食べられる店に行きましょう」と、自分から提案し、揚げ物やピザがメインになる店を巧みに回避します。
焼き鳥屋であれば、ササミやレバーなどの高タンパク食材を大量に摂取できます。
会食相手には「健康に気を使っているので」と公言し、ハイボールやワインを嗜みながら、しっかりとタンパク質を補給。
相手からも「だからそんなに若々しいんですね」と好印象を持たれ、ビジネスも円滑に進むといいます。
「飲み会は、筋肉の材料を補給する場に変えられます」とIさんは語ります。
今日から実践できる「ダメージコントロール」ロードマップ

最後に、今日の飲み会から使える具体的なアクションプランをまとめます。
1杯目はビールでもいい、2杯目からは「濃いめのハイボール」
「乾杯ビール」の文化に逆らう必要はありません。
最初の1杯は美味しくビールを飲みましょう。
重要なのは2杯目からです。
迷わずハイボールやウーロンハイに切り替えてください。
可能であれば「濃いめ」で注文し、チビチビ飲むことで、杯数を減らすのも賢いテクニックです。
コンビニ晩酌なら「イカそうめん」と「炭酸水」をセット買い
家飲みの最強セットはこれです。
スルメやイカそうめんは、高タンパク・低脂質・低糖質の「神つまみ」です。
噛みごたえがあるので満腹感も得られます。
また、アルコールの合間に無糖の炭酸水を挟むことで、満腹感を底上げし、飲み過ぎを防ぐことができます。
翌朝のリカバリー:ビタミンB群と水分で代謝を戻す
飲んだ翌朝は、失われた水分とビタミンを補給しましょう。
アルコール分解で大量に消費される「ビタミンB1」を含む豚肉や、サプリメントを摂取すると、ダルさが抜けやすくなります。
そして、とにかく水を飲むこと。
体内のアルコールをいち早く排出し、筋肉に水分を戻してあげることが、リカバリーの最優先事項です。
まとめ:お酒と筋肉は共存できる。「飲み方」を変えて人生を楽しもう

筋トレをしているからといって、大好きなお酒を一生我慢する必要はありません。
ストレスで心を病むくらいなら、ルールを守って楽しく飲む方が、長い目で見ればボディメイクは継続できます。
- 蒸留酒(ハイボール・焼酎)を選び、糖質をカットする。
- 揚げ物は避け、刺身や焼き鳥(塩)でタンパク質を確保する。
- 水とプロテインを味方につけ、分解を防ぐ。
お酒は、あなたの敵ではありません。
付き合い方さえ間違えなければ、リラックスと楽しみを与えてくれるパートナーになり得ます。




