お疲れ様です、現場監督のハリまるです。
現場では「体調管理も仕事のうち」と耳にタコができるほど言われますが、人間ですから風邪をひくことだってあります。
特に、ハードなトレーニングで体を追い込んでいる時期ほど、免疫が下がって風邪をひきやすいものです。
さて、今あなたは、少し喉の痛みや体のだるさを感じながら、ジムに行く準備をしていませんか?
体温計は37.0度。「平熱よりちょっと高いかな?」くらい。
「1日休んだら、せっかくついた筋肉が落ちる気がする」
「今日行かないと、今週のルーティンが崩れてしまう」
「ちょっと汗をかけば、代謝が上がって逆にスッキリ治るんじゃないか?」
その気持ち、痛いほどわかります。
私もトレーニーの端くれとして、「休むことへの罪悪感」は常に持っています。
しかし、過去に何度も失敗した経験から断言します。
風邪気味の時の筋トレは、百害あって一利なしです。
この記事では、過去に微熱をおしてジムに行き、結果として全治2週間の大ダメージ(工期遅れ)を負った私の失敗談をもとに、体調不良時の正しい判断基準と、寝ている間に筋肉を落とさないための「戦略的休養メシ」について徹底解説します。
これを読めば、あなたは今日、罪悪感なく布団に入ることができるはずです。
この記事でわかること
- 「首から上ならOK」というネックルールを30代が過信してはいけない理由
- 筋トレ直後に免疫が崩壊する「オープンウィンドウ説」の恐怖
- 食欲ゼロでもカタボリック(筋肉分解)を防ぐ!コンビニ「最強風邪メシ」リスト
【ネックルール】「首から上ならOK」は本当か?30代社会人が信じてはいけない理由

トレーニー界隈には、トレーニングをするかどうかの判断基準として、アメリカ発祥の「ネックルール(Neck Check)」というものがあります。
しかし、これを鵜呑みにして「ジムに行ってもいい理由」にするのは危険です。
【判断基準表】ネックルールと「30代の現実」
一般的に言われている基準と、私が推奨する現場レベルの安全基準を比較しました。
| 症状の部位 | 具体的な症状 | 一般的な判断 | 私の推奨判断 |
|---|---|---|---|
| 首から上 | 鼻水、くしゃみ、軽い喉の痛み、頭痛なし | 軽めの運動ならOK | 基本は休め (ストレッチのみ) |
| 首から下 | 熱(37度以上)、咳、体の節々の痛み、悪寒、吐き気 | 絶対NG | 絶対NG (即寝ろ) |
微熱=エンジンのオーバーヒート。動かせば壊れる
私たち30代の社会人は、日々の仕事ですでに疲労が蓄積しています。
体感としては「首から上」だけでも、内部ではすでに免疫システムがウイルスと戦うためにフル稼働している状態です。
現場で言えば、重機のエンジンの水温計が「H(ホット)」を指している状態です。
ここでさらに「筋トレ」というアクセルを全開に踏み込んだらどうなるか?
エンジン(心臓や免疫系)に致命的なダメージがいき、オーバーヒートで完全に停止します。
「まだ動ける」と「動いていい」は全く別物です。
ジムは公共の場。「ウイルスを撒き散らす」のはマナー違反
自分の体調も大事ですが、それ以上に考えるべきは「周囲への迷惑」です。
ジムは密閉空間であり、多くの人が同じダンベルやマシンのグリップを共有します。
⚠️ 現場監督の警告
あなたがくしゃみをした手でダンベルを握れば、それは次の利用者への感染リスクになります。
体調不良で現場に来てインフルエンザを蔓延させる奴は「最悪の作業員」です。
「うつさない配慮」も、大人のトレーニーの嗜みです。
マスクをしてまでジムに行くくらいなら、家で寝ていてください。
【科学的根拠】なぜ風邪の時の筋トレが「自殺行為」なのか?

「汗をかけば治る」というのは昭和の迷信です。
科学的には、風邪の時の筋トレは回復を遅らせるだけでなく、筋肉を減らすリスクすらあります。
「オープンウィンドウ説」:筋トレ直後は免疫が崩壊する
激しいトレーニングをした直後(数時間〜数日間)は、一時的に免疫機能がガクンと低下する現象が起きます。
これを医学用語で「オープンウィンドウ(窓が開く)」と呼びます。
- 通常時:城壁(免疫)がウイルスを防いでいる。
- 風邪のひき始め:ウイルスが城壁を少し乗り越えて侵入中(ボヤ騒ぎ)。
- 筋トレ実施:自ら城門を全開にして(オープンウィンドウ)、敵の大軍を招き入れる。
つまり、風邪気味の時に筋トレをするのは、火事の現場にガソリンを撒くようなものです。
免疫細胞たちがウイルス処理に追われている時に、筋肉の修復作業という「新たなタスク」を押し付ければ、体がパンクするのは当然です。
ストレスホルモン「コルチゾール」が筋肉を分解する
風邪をひくと、体はストレスを感じて「コルチゾール」というホルモンを分泌します。
このホルモンには、「筋肉を分解してエネルギーにする」という厄介な作用があります。
無理してトレーニングをしてストレスを上乗せすれば、コルチゾールがドバドバ出て、鍛えているつもりで筋肉を削っているという皮肉な結果になります。
【実録】「汗をかけば治る」と信じてジムに行き、地獄を見た体験談

偉そうなことを言っていますが、私もかつては「筋トレすれば治る」と信じていた愚か者でした。
その時の痛い失敗談を共有します。
【失敗談】37.2度の微熱でスクワットをした夜の悪夢
ある冬の日、仕事帰りに少し寒気を感じました。
熱を測ると37.2度。
「これくらいなら、動いて体を温めれば治るだろ。脚トレの日だし、休むわけにはいかない」と判断し、いつものようにジムへ。
その日は気合を入れて、スクワットとレッグプレスを行いました。
セット中はアドレナリンが出ているので意外と動けたのですが、異変が起きたのは帰宅後です。
プロテインを飲んでいる最中に激しい悪寒に襲われ、ガタガタと震えが止まらなくなりました。
慌てて布団に入って熱を測ると、なんと39.5度。
そこから3日間は高熱でうなされ、食事も喉を通らず、筋肉はしぼみ、結局仕事もジムも2週間休む羽目になりました。
あの時素直に寝ていれば、たぶん2日で治っていたはずです。
「たった1回の筋トレ欲」が、2週間のブランク(工期遅れ)を生んでしまったのです。
寝ている間に差をつけろ!筋肉を極力落とさない「戦略的療養」食事術

「休む=何もしない」ではありません。
ベッドの上でも戦いは続いています。
食欲がないからといって何も食べないと、体は自分の筋肉を分解(カタボリック)してエネルギーにしてしまいます。
これを防ぐのが「戦略的療養」です。
コンビニで買える「最強風邪メシ」リスト
自炊する元気はないと思うので、帰宅途中にコンビニでこれだけ買ってください。
ポイントは「消化が良い」「高タンパク」「ビタミン」です。
| アイテム名 | 選ぶ理由と効果 |
|---|---|
| 茶碗蒸し | 最強です。卵(アミノ酸スコア100)が摂れて、喉越しが良く消化も抜群。温かいので胃腸に優しい。 |
| inゼリー (エネルギー&ビタミン) |
固形物が無理な時の命綱。まずは糖質を入れて、体のガソリン切れ(筋肉分解)を阻止します。ビタミン入りを選びましょう。 |
| サラダチキン(ほぐし) +レトルトお粥 |
レトルトのお粥に、ほぐしサラダチキンを投入。これだけで高タンパク・高糖質の完全食になります。生姜チューブを入れると尚良し。 |
| カットフルーツ (パイナップル・キウイ) |
ビタミンCと消化酵素が豊富。タンパク質の吸収を助け、免疫力を高めます。 |
| R-1ヨーグルト | 腸内環境を整え、免疫細胞を活性化させます。飲むタイプが手軽です。 |
サプリメントは「メガビタミン」で攻めろ
風邪の時こそ、家に眠っているサプリメントの出番です。
プロテインよりも優先すべきものがあります。
- グルタミン(1回5g〜10g):必須です。免疫細胞のエネルギー源。風邪の時は体内で枯渇するので、大量に投入して筋肉分解を食い止めます。
- ビタミンC(1回1000mg〜):抗酸化作用で免疫を助けます。水溶性ですぐ排出されるので、3〜4時間おきにこまめに摂り、血中濃度を高く保ちます。
- BCAA/EAA:食事が喉を通らない時は、これを水に溶かして枕元に置き、ちびちび飲みましょう。血中アミノ酸濃度を維持します。
「家なら筋トレしてもいい?」という疑問への回答

「ジムに行けないなら、家で腕立て伏せくらいならいいでしょ?」
この質問をよく受けますが、私の答えは「NO」です。
確かに移動の手間はありませんが、自重トレーニングであっても、筋肉を破壊し、修復のためにエネルギーを使うプロセスは変わりません。
また、神経系への疲労も蓄積します。
「何かしていないと不安」という気持ちはわかりますが、その不安を消すための運動が、結果として復帰を遅らせます。
どうしても動きたいなら、以下の「回復系メニュー」だけに留めてください。
- ストレッチ:血流を良くして回復物質を巡らせる。
- フォームローラー:筋膜リリースで体の凝りをほぐす。
- 深呼吸(瞑想):副交感神経を優位にして、睡眠の質を高める。
復帰のタイミングは?「安全確認」してから現場(ジム)に戻れ

熱が下がったからといって、すぐにジムに行ってはいけません。
現場復帰には工程表が必要です。
【復帰工程表】熱が下がってからのロードマップ
🚧 復帰スケジュール
- 解熱当日:まだ自宅待機。ストレッチのみ。
- 解熱+1日目(養生日):普通の生活をして、夜に熱が上がらないか確認。自宅で軽い自重スクワットを数回試す。
- 解熱+2日目(リハビリ運転):ジム復帰。ただし「重量60%・セット数半分」で切り上げる。物足りないくらいで終わる。
- 解熱+3日目以降:体調に問題なければ、徐々に通常メニューへ戻す。
平熱に戻ってから、最低でもあと2日は「養生期間」を設けてください。
コンクリートが固まるのを待つのと同じで、ここで焦るとヒビ(ぶり返し)が入ります。
【失敗談】復帰初日に張り切って、腰を「ピキッ」
病み上がりで2週間ぶりにジムに行った時、「筋肉が落ちているかもしれない」という焦りから、いきなり以前と同じ100kgでデッドリフトを引こうとしました。
1発目は挙がりましたが、病み上がりで体幹(腹圧)の力が抜けていたのか、2発目で腰に鋭い痛みが。
幸い軽傷でしたが、病み上がりの体は神経の伝達が鈍っており、自分が思っている以上に脆くなっています。
「俺は新人だ」くらいの謙虚な気持ちで、フォーム確認から再開すべきでした。
まとめ:休むこともトレーニング。罪悪感を捨てて、泥のように眠れ

「筋肉はジムにいる時ではなく、寝ている時に作られる」
これは真実です。
風邪をひいた時は、体が「休んでくれ、工事(修復)が追いつかない」とSOSを出しているのです。
その声に従って休むことは、サボりではなく「筋肉を守るための重要なミッション」です。
1週間休んだくらいでは、筋肉はなくなりません。
(鏡を見て少ししぼんで見えるのは、筋肉中の水分とグリコーゲンが減っただけで、復帰して炭水化物を食べれば3日でパンプして戻ります)
だから、罪悪感を持たずに、今日は泥のように眠ってください。
加湿器をつけて、温かい格好をして。




