お疲れ様です、現場監督のハリまるです。
現場では「段取り八分(だんどりはちぶ)」と言いますが、仕事の成果は準備段階で決まります。
資材が届いていないのに職人さんを呼んでも、手待ち時間が発生するだけで仕事になりませんよね。
さて、あなたはジムに行く時、こんな状態で現場入りしていませんか?
「昼ごはんから何も食べてないから、お腹ペコペコだ…」
「ダイエット中だから、空腹で走った方が脂肪が燃えるはず」
「終わってから美味しいビールを飲むために我慢しよう」
はっきり言います。
空腹状態でトレーニングをするのは、「ガス欠の重機」を無理やり動かそうとする愚行であり、現場監督として即刻中止を命じるレベルの危険行為です。
それでは筋肉はつかず、むしろ減っていきます。
この記事でわかること
- ガス欠厳禁!空腹でトレーニングすると筋肉が「共食い」を始める理由
- 作業前(プレ)は1時間前に「おにぎり」、作業後(ポスト)は直後に「糖質+プロテイン」
- 残業続きの会社員へ。太らず筋肉を増やす「夕食分割(分食)」テクニック
【KY活動】なぜ「空腹」でトレーニングしてはいけないのか?

「空腹の方が脂肪が燃えやすい」という説もありますが、筋トレ(無酸素運動)においてはデメリットの方が圧倒的に大きいです。
体内で起きている恐ろしい現象を解説します。
ガス欠の重機は動かない。パワーが出ず、怪我のリスクが高まる
筋トレの主なエネルギー源は「糖質(グリコーゲン)」です。
これは車で言うガソリンです。
空腹状態=ガソリンが入っていない状態でアクセルを踏み込んでも、パワーは出ません。
重量が挙がらないばかりか、集中力が切れ、フォームが崩れて怪我をするリスク(労働災害)が跳ね上がります。
質の高いトレーニングをするためには、タンクを満タンにしておく必要があります。
体は筋肉を分解してエネルギーを作る(カタボリック)。本末転倒な「共食い」現象
ここが一番の問題です。
体内に糖質がない状態で激しい運動をすると、体は緊急手段として、なんと「筋肉を分解(アミノ酸に変換)」してエネルギーを作り出そうとします。
これを「糖新生(とうしんせい)」、専門用語で「カタボリック(異化)」と呼びます。
筋肉をつけるためにジムに来ているのに、エネルギー不足のせいで自分の筋肉を食いつぶしてしまう。
まさに「共食い整備」です。
本末転倒もいいところです。
ダイエット中でも、運動前の糖質は「投資」。燃やすための着火剤だと思え
「糖質を摂ったら太る」と心配する人もいますが、トレーニング前の糖質は別です。
これから激しく動くのですから、摂取した糖質はすべてガソリンとして消費されます。
むしろ、糖質を入れてパワー全開で動いた方が、トータルの消費カロリーは増えます。
運動前の糖質は「贅沢」ではなく、脂肪を燃やすための「着火剤(必要な投資)」だと割り切ってください。
【作業前(プレワークアウト)】1時間前に「おにぎり1個」を搬入せよ

では、具体的に何をいつ食べればいいのか。
現場への資材搬入と同じで、「ジャスト・イン・タイム」が重要です。
ベストなタイミングは「開始60分〜90分前」。消化と吸収のタイムラグを計算に入れる
食べてすぐ動くと、胃に血液が集まっているため、消化不良を起こして気持ち悪くなります。
逆に時間が空きすぎると、血糖値が下がってしまいます。
固形物を食べるなら、トレーニング開始の「60分〜90分前」がゴールデンタイムです。
このタイミングで食べれば、ジムに着く頃には消化が終わり、血中にエネルギーが満ち溢れた状態になります。
選ぶべきは「脂質の低い炭水化物」。和菓子、バナナ、おにぎりが正解
ここで脂っこいもの(カツ丼など)を食べると、消化に4時間以上かかるためNGです。
選ぶべきは「消化の良い炭水化物」です。
✅ おすすめプレワークアウト食
- おにぎり(具なし、鮭、梅):日本の最強エナジーフード。
- 和菓子(大福、羊羹):脂質ほぼゼロでエネルギーになりやすい。
- バナナ:消化吸収が早く、カリウムも豊富で筋肉の痙攣を防ぐ。
- 干し芋:GI値が低く、持続的なエネルギーになる。
直前に食べるなら「ゼリー飲料」。固形物は消化不良で腹痛の原因になる
「仕事が長引いて、ジムに行く直前になってしまった!」
そんな時は、固形物は諦めて、消化のいらない「ゼリー飲料(ウィダーinゼリーなど)」や「スポーツドリンク」で糖質を入れてください。
液体なら飲んで30分後にはエネルギーになります。
とにかく「空腹のまま始めない」ことが鉄則です。
【作業後(ポストワークアウト)】ゴールデンタイムに「プロテイン+糖質」

トレーニングが終わった直後は、筋肉が破壊され、エネルギーが枯渇した「緊急事態」です。
ここでどれだけ素早く資材(栄養)を投入できるかが、明日の筋肉を決めます。
終わってから「帰宅して自炊」では遅すぎる。現場で即時補給せよ
「家に帰ってからゆっくりご飯を食べよう」
これでは遅すぎます。
トレーニング終了直後の30分〜45分間は「ゴールデンタイム」と呼ばれ、筋肉の合成感度が平常時の数倍に跳ね上がっています。
このチャンスタイムを逃すのは、コンクリートが固まってから打設するようなものです。
ジムの更衣室で、着替える前に補給してください。
タンパク質だけでは壁は直らない。インスリン(運搬車)を呼ぶための「糖質」が必須
「終わったらプロテイン!」は正解ですが、それだけでは50点です。
筋肉にタンパク質(資材)を届けるためには、運搬車であるホルモン「インスリン」が必要です。
インスリンは、糖質を摂取して血糖値が上がった時に分泌されます。
つまり、プロテインと一緒に「糖質(おにぎりや和菓子)」を摂ることで、初めて資材が現場(筋肉)に届くのです。
和菓子やジュースでもOK。トレーニング直後は「太りにくい魔法の時間」
トレーニング直後に摂取した糖質は、優先的に枯渇した筋肉のガソリン(筋グリコーゲン)の回復に使われます。
つまり、脂肪になりにくいのです。
普段は我慢している甘いジュースや大福も、このタイミングなら「筋肉の餌」として堂々と食べられます。
ご褒美だと思って、糖質をセットで摂ってください。
会社員のための「夕食分割(分食)」テクニック

「ジム前におにぎり食べて、ジム後にプロテイン飲んで、帰ってから夕飯食べたら食べ過ぎじゃない?」
その通りです。
そこで、私が実践しているのが、1回の夕食を2回に分ける「分食(ぶんしょく)」テクニックです。
夕食を2回に分けろ。17時に「主食」、21時に「主菜」
トータルの食事量は変えず、タイミングだけを最適化します。
✅ 現場監督流・分食スケジュール
- 17:00〜18:00(退社前・移動中):
夕食の「主食(おにぎり等)」だけを先に食べる。
→これがトレーニングのエネルギーになる。 - 19:00〜20:00(ジム):
トレーニング実施。 - 20:00(終了直後):
プロテインを飲む。 - 21:00(帰宅後):
夕食の「主菜(肉・魚)」と「副菜(サラダ)」だけを食べる。
※ご飯(炭水化物)は夕方に食べたので抜く。
これなら、エネルギーが必要な時に炭水化物を摂り、寝る前は炭水化物を控えることができるため、筋肉をつけながら脂肪をつけない理想的な食生活になります。
デスクでこっそり食べるための「補食」アイテム
仕事中に堂々とおにぎりを食べるのが難しい場合は、デスクの引き出しに「羊羹(ようかん)」や「プロテインバー」を忍ばせておきましょう。
トイレに行くふりをしてサッと食べる。
これも立派な現場管理です。
【失敗談】空腹スクワットで立ちくらみ。現場監督失格の夜
ある日、昼食を食べ損ねて、夜まで何も食べずにジムに行きました。
「今日は追い込むぞ!」と意気込んでスクワットを始めましたが、2セット目で急に目の前が真っ白になり、その場にしゃがみ込んでしまいました(ブラックアウト)。
完全な低血糖症状です。
スタッフの方にスポーツドリンクをもらって回復しましたが、情けなくて涙が出そうでした。
「資材(メシ)も入れずに現場を動かしてはいけない」。
安全管理の基本を、自分の体で痛感した出来事でした。
まとめ:体内の「在庫管理」を徹底せよ。満タンで挑み、即座に埋め戻せ

食事管理というと「カロリー計算」ばかり気にしがちですが、実は「タイミング(いつ入れるか)」の方が重要です。
同じおにぎり1個でも、寝る前に食べれば脂肪になりますが、トレーニング前に食べれば最強のガソリンになります。
「ジムに行く前におにぎりを入れる」
「終わったら即座に補給する」
この2点を守るだけで、トレーニングの質は劇的に向上し、体つきが変わってきます。
あなたの体という現場において、優秀な現場監督(管理者)になってください。



