「小腹が空いた…でも、おやつなんて食べたら、せっかくの筋トレが無駄になるよな…」
「減量中だけど、夕方になるとお腹が鳴って仕事に集中できない。何か食べてもいいものないかな…」
「逆に、増量したいけど3食だけじゃカロリーが足りない。手軽に食べられる間食って何がベストなんだろう?」
筋トレを頑張るあなたにとって、「間食(おやつ)」は罪悪感の対象になっていませんか?
空腹を我慢することが美徳だと感じ、お腹が鳴るのを必死に耐えているかもしれません。
しかし、それは大きな間違いです。
実は、筋トレの成果を最大化するために、戦略的な「間食」は非常に強力な武器となります。
空腹は、筋肉が分解されているサイン(カタボリック)かもしれません。
この記事では、「間食=悪」という古い常識を覆し、なぜ筋トレ民に間食が必要なのか、そしてあなたの目的(増量/減量)に合わせて、身近なコンビニで選ぶべき「最強の間食リスト」を具体的に解説します。

この記事でわかること
- なぜ筋トレ中に「間食」が(悪いどころか)必要なのかという科学的理由
- コンビニで買える「減量期」向けの最強の高タンパク・低カロリーおやつ5選
- コンビニで買える「増量期」向けの効率よくカロリーを稼げるおやつ5選
そもそもなぜ筋トレに「間食(分食)」が必要なのか?
1日3食しっかり食べていれば十分だと思っていませんか?
筋トレ民にとっては、3食の間に「間食」を挟むこと(=分食)には、明確で重要な意味があります。
これは「おやつを食べる」という快楽的なものではなく、「栄養補給」という戦略的な行為なのです。
① 筋肉の分解(カタボリック)を防ぐため
食事から時間が経ち、空腹を感じている時、体内のエネルギーが枯渇し始めます。
この時、体はエネルギーを生み出すために、なんと自らの「筋肉」を分解してアミノ酸を取り出そうとします。
これが「カタボリック」と呼ばれる、トレーニーが最も避けるべき状態です。
間食を摂る最大の目的は、このカタボリックを防ぎ、血中アミノ酸濃度を一定に保ち続けることで、筋肉の分解を防ぐことにあります。
② 血糖値を安定させ、空腹によるドカ食いを防ぐ
極端な空腹の後に食事を摂ると、血糖値が急上昇し、それを下げるためにインスリンが大量に分泌されます。
インスリンは、余った糖を脂肪として蓄える働きがあるため、血糖値の乱高下は肥満の原因となります。
間食で血糖値を安定させておくことで、次の食事でのドカ食いや血糖値スパイクを防ぎ、脂肪がつきにくい状態を維持できるのです。
③ 増量期:3食では足りないカロリーを補う
特に体を大きくしたい増量期は、消費カロリーを上回るカロリー(オーバーカロリー)を摂取する必要があります。
しかし、食が細い人や胃腸が弱い人が、1日3食だけで大量のカロリーを摂取するのは非常に困難です。
間食を「4食目、5食目」と捉えて活用することで、無理なく総摂取カロリーを増やすことが可能になります。
筋トレ民が間食(おやつ)を選ぶための「3つの基準」
「間食が必要なのはわかった。じゃあ、何を食べてもいいの?」
答えは「ノー」です。
お菓子や菓子パンを食べては意味がありません。
筋トレ民には、守るべき明確な「選択基準」があります。
基準1:【最重要】高タンパク質であること
間食の目的は、筋肉の分解を防ぐことです。
そのため、筋肉の材料となる「タンパク質」が含まれていることが最重要基準となります。
プロテインバー、ギリシャヨーグルト、ゆで卵など、パッケージの裏を見てタンパク質量を確認する癖をつけましょう。
目安として、タンパク質10g以上を含むものが望ましいです。
基準2:【減量期】低脂質・低糖質(特に加工糖)であること
減量期は、アンダーカロリーを守ることが絶対条件です。
タンパク質は摂りつつも、余計なカロリー源となる「脂質」と「砂糖などの加工された糖質」は、極力避ける必要があります。
「高タンパク」と書かれていても、同時に脂質や糖質が非常に高いプロテインバーもあるため、栄養成分表示全体のチェックが必須です。
基準3:【増量期】良質な脂質・炭水化物であること
増量期は、カロリーを稼ぐ必要があります。
しかし、何でもいいわけではありません。
ポテトチップスのような「悪い脂質」や、ジュースのような「悪い糖質」でカロリーを稼ぐと、筋肉ではなく脂肪ばかりが増えてしまいます。
ナッツ類(良質な脂質)や、和菓子・おにぎり(良質な炭水化物)など、栄養価の高い「クリーンな」カロリー源を選ぶことが重要です。
「空腹=我慢」だと思っていた僕の失敗
減量を始めた当初、僕は「空腹こそが正義だ」と信じていました。
昼食はサラダチキンとサラダだけ。
当然、夕方16時頃には猛烈な空腹に襲われます。
「グゥゥ」と鳴るお腹の音を、「脂肪が燃えている音だ」とポジティブに捉え、ひたすら我慢していました。
しかし、その反動は必ず夜に来ます。
仕事が終わり、帰宅する頃には理性は崩壊。
「今日は頑張ったから」と、夕食でご飯をおかわりし、食後にはアイスまで食べてしまう毎日。
結果、体重は一向に減りませんでした。
トレーナーに相談したところ、「それは空腹を我慢しすぎです。16時にギリシャヨーグルトかプロテインバーを1本食べてください」とアドバイスされました。
半信半疑で実行してみると、驚くほど夜のドカ食いが収まったのです。
あの空腹感は「脂肪が燃える音」ではなく、「筋肉が分解され、ドカ食いを招く危険信号」だったのです。
間食を「戦略」として取り入れた瞬間、僕の減量は初めて前に進み始めました。
【減量期】空腹を黙らせる!コンビニで買える「高タンパク・低カロリー」おやつ5選
減量中の「辛い空腹」を、罪悪感ゼロで乗り切るための最強の味方を紹介します。
基準は「高タンパク・低脂質・低糖質」です。
① サラダチキンバー / スティック
もはや説明不要の「王様」です。
特にバータイプやスティックタイプは、手を汚さずに片手で食べられるため、オフィスでの間食に最適。
1本でタンパク質10〜15gを摂取でき、脂質・糖質はほぼゼロ。
これ以上ない完璧な減量おやつです。
② プロテインバー(脂質・糖質チェック必須)
手軽にタンパク質20g前後を摂取できますが、製品選びには注意が必要です。
中には「お菓子」と変わらないほど脂質や糖質(特に砂糖)が多いものもあります。
必ず裏の成分表示を確認し、「脂質5g以下」「糖質10g以下」を目安に選ぶようにしましょう。
③ ギリシャヨーグルト(オイコスなど)
一般的なヨーグルトと違い、水分(ホエイ)を除去しているため、タンパク質が凝縮されています。
1カップでタンパク質10〜12gを摂取でき、脂質はゼロの製品がほとんど。
満足感も高いため、デザート感覚で食べられるのが嬉しいポイントです。
(加糖タイプは糖質が多いので、できれば無糖を選びましょう)
④ ゆで卵 / 温泉卵
「完全栄養食品」と呼ばれる卵は、トレーニーの最強の味方です。
1個で約6〜7gのタンパク質と、ビタミン・ミネラルを豊富に含みます。
コンビニで2個入りパックを買えば、それだけで優秀な間食になります。
脂質は黄身に含まれますが、これは良質な脂質なので、1日1〜2個程度なら減量中でも全く問題ありません。
⑤ するめ / ビーフジャーキー
「噛む」という行為は、満腹中枢を刺激し、空腹感を紛らわすのに非常に効果的です。
するめやビーフジャーキーは、噛み応えがあり、かつ高タンパク・低脂質の代表格。
ただし、塩分が多い製品もあるため、食べ過ぎには注意しましょう。
ゆっくり時間をかけて噛むことが、満足感を高めるコツです。
【増量期】効率よくカロリーを稼ぐ!コンビニで買える「高栄養価」おやつ5選
3食だけでは足りないカロリーを、賢く「クリーン」に補うための間食リストです。
基準は「高栄養価(タンパク質+良質な炭水化物・脂質)」です。
① 和菓子(大福、団子、羊羹)
増量期のトレーニーが洋菓子(ケーキ、クッキー)を避ける理由は、脂質が多いからです。
その点、「和菓子」は脂質がほぼゼロで、エネルギー源となる良質な炭水化物(米、小豆)がメインです。
特にトレーニング前のエネルギー補給として最適です。
「甘いものが食べたい」という欲求もクリーンに満たしてくれます。
② ナッツ類(素焼きアーモンド、くるみ)
ナッツ類は、カロリーの塊です。
手のひら一握り(約30g)で約200kcalを稼ぐことができます。
そのカロリーの多くは、体に良い「良質な脂質(不飽和脂肪酸)」と、タンパク質、食物繊維です。
ただし、脂質であることに変わりはないため、食べ過ぎは禁物。
「素焼き(塩や油で味付けしていないもの)」を選びましょう。
③ プロテインドリンク / プロテインバー(高カロリータイプ)
コンビニで売られている紙パックのプロテインドリンク(ザバスなど)は、タンパク質15g前後に加え、エネルギー源となる糖質も適度に含まれているものが多く、増量期の間食に最適です。
また、プロテインバーも増量期であれば、脂質や糖質が多めの「高カロリータイプ(1本300kcal超えなど)」を戦略的に選ぶのもアリです。
④ バナナ / おにぎり(鮭・梅など)
最も手軽な炭水化物補給です。
バナナは「食べるエナジードリンク」と呼ばれるほど消化吸収が良く、トレーニング前のエネルギー源として完璧です。
おにぎりも同様に、シンプルに炭水化物を補給できます。
ツナマヨや唐揚げマヨなど、脂質が多い具材は避け、「鮭」「梅」「昆布」などシンプルなものを選びましょう。
⑤ カステラ / サンドイッチ(卵・チキン系)
カステラは、和菓子と同様に「高炭水化物・低脂質」な優秀な間食です。
主原料が卵、小麦粉、砂糖であるため、トレーニング前のエネルギー補給に向いています。
また、サンドイッチも具材を選べば優秀です。
「たまごサンド」や「サラダチキンサンド」など、タンパク質も同時に摂れるものを選び、カツサンドなど揚げ物系は避けましょう。
「和菓子」が僕のバルクアップを救った
「とにかく食え」。
増量期に入った僕は、トレーナーにそう言われました。
しかし、元々食が細い僕にとって、3食で3500kcalを摂るのは苦行でした。
昼食は無理やり詰め込み、夜も満腹で苦しい。
そんな時、「間食で稼げばいい。特に和菓子はいいぞ」と教わりました。
「え、大福?」
半信半疑でしたが、試しに午後の間食として、コンビニで「豆大福」を買って食べ始めました。
すると、驚くほど楽になったのです。
大福1個で約250kcal。
脂質はほぼゼロ。
甘いものでメンタルも満たされ、3食の食事量を少し減らしても、総カロリーは楽にクリアできるようになりました。
そして、その月から体重は順調に増え始めたのです。
「おやつ」を敵ではなく、増量のための「戦略的エネルギー源」として捉えた瞬間、僕の体は変わり始めました。
間食を摂るべき「ゴールデンタイミング」はいつ?
間食は、いつ食べても良いわけではありません。
効果を最大化するためには、食べるべき「タイミング」があります。
タイミング1:トレーニングの1〜2時間前(エネルギー補給)
空腹のままトレーニングを行うと、エネルギーが不足し、力が出ません。
それだけでなく、体は筋肉を分解してエネルギーを作り出そうとします。
トレーニングの1〜2時間前に、消化の良い炭水化物(おにぎり、バナナ、和菓子など)を摂っておくことで、トレーニング中のエネルギー切れを防ぎ、パフォーマンスを最大化できます。
タイミング2:午後の空腹時(15時〜16時頃)
昼食から夕食まで、最も時間が空きやすいのがこの時間帯です。
ここで空腹を我慢してしまうと、カタボリックが進行し、夕食でのドカ食いを招きます。
このタイミングで、目的(減量/増量)に合わせた高タンパクな間食を摂ることが、1日を通して体調を安定させる鍵となります。
タイミング3:食事と食事の間が4時間以上空く時
基本的なルールとして、「食事の間隔が4〜5時間以上空きそうだな」と分かったら、その間に間食を挟むようにしましょう。
例えば、昼食が12時で、夕食が残業で20時になりそうな場合、16時頃にプロテインバーを1本食べておく。
この小さな習慣が、あなたの筋肉を守ります。
これはNG!筋トレ民が避けるべき「最悪のおやつ」ワースト3
逆に、これだけは避けるべき「最悪のおやつ」も知っておきましょう。
これらは筋肉の材料にならず、体脂肪に直行する可能性が非常に高いものです。
① スナック菓子(ポテトチップスなど)
「高脂質+高塩分+高カロリー」の塊です。
栄養価は皆無に等しく、血糖値を急上昇させ、体脂肪を蓄積させる最悪の選択です。
「少量なら…」という考えも捨てましょう。
中毒性が高く、少量では済まなくなるケースがほとんどです。
② 洋菓子(ケーキ、クッキー、シュークリーム)
「高脂質(バター、生クリーム)+高糖質(砂糖、小麦粉)」のゴールデンコンビです。
増量期の和菓子とは違い、脂質の量が尋常ではありません。
筋肉ではなく、脂肪を増やしたいのであれば別ですが、トレーニーであれば避けるべき筆頭です。
③ 菓子パン(メロンパン、デニッシュなど)
「手軽なカロリー源」として最悪の選択です。
メロンパンやデニッシュパン、クロワッサンなどは、その美味しさを出すために大量の「悪い脂質(マーガリン、ショートニング)」と砂糖が使われています。
タンパク質はほぼゼロ。
これを食べるくらいなら、おにぎりやプロテインバーを選びましょう。
まとめ:間食は「悪」ではない。賢く選んで筋トレの「味方」にしよう
「おやつを食べたい」という欲求は、人間の自然な生理現象です。
そして、トレーニーにとっては、空腹は「我慢するもの」ではなく、「対処するもの」です。
最後に、重要なポイントをもう一度おさらいします。
- 間食は「戦略」:空腹による筋肉の分解(カタボリック)を防ぎ、ドカ食いを予防するために、間食は非常に有効な「戦略」である。
- 選択基準:基本は「高タンパク」。減量期は「低脂質・低糖質」を、増量期は「良質な炭水化物・脂質」をプラスして選ぶ。
- 減量期のおすすめ:サラダチキンバー、ギリシャヨーグルト、ゆで卵など。
- 増量期のおすすめ:和菓子、ナッツ、おにぎり、バナナなど。
- NGなおやつ:スナック菓子、洋菓子、菓子パンは、体脂肪に直行するため厳禁。
賢い間食は、あなたの筋トレ効果を加速させ、空腹のストレスから解放してくれます。
もう罪悪感を抱く必要はありません。


