筋トレと有酸素、どっちが先?目的別(筋肥大/脂肪燃焼)の最適解と、効果を台無しにするNGな順番

筋トレと有酸素、どっちが先?目的別(筋肥大/脂肪燃焼)の最適解と、効果を台無しにするNGな順番 ジム・パーソナルジム

「ジムに行ったら、まずランニングマシンで走ってから筋トレするのが普通じゃないの?」
「筋肥大したいけど、脂肪も落としたい…。筋トレと有酸素、どっちを優先すべきなんだろう?」「筋トレの後に有酸素運動すると、せっかく鍛えた筋肉が落ちるって聞いたけど、本当?」

ジムでのトレーニング。多くの人が、「筋肉をつけるための筋トレ(無酸素運動)」と、「脂肪を燃やすための有酸素運動(ランニングなど)」の両方を取り入れていることでしょう。しかし、その「順番」について、深く考えたことはありますか?

「ウォーミングアップも兼ねて、まず有酸素から」——もしあなたがそう考えているなら、それはあなたの筋トレ効果を台無しにしている、大きな間違いかもしれません。

筋トレと有酸素運動は、エネルギー源も、体への作用も異なります。その順番を間違えると、互いの効果を打ち消し合い、せっかくの努力が水の泡になってしまう可能性があるのです。

この記事では、科学的根拠に基づき、「筋トレ」と「有酸素運動」の最適な順番を、あなたの「目的(筋肥大 or 脂肪燃焼)」別に徹底解説します。

もうジムで「なんとなく」の順番でトレーニングするのは終わりにしましょう。正しい順番を知り、あなたの努力を100%結果に繋げるのです。

この記事でわかること

  • なぜ筋トレと有酸素運動の「順番」がトレーニング効果に大きく影響するのか
  • 「筋肥大」と「脂肪燃焼」、それぞれの目的における最適なトレーニングの順番
  • 筋トレ効果を最大化するための、有酸素運動の適切な「時間」と「強度」の目安
    1. この記事でわかること
  1. なぜ「筋トレ」と「有酸素」の順番が重要なのか?
    1. ① エネルギー源の違い:糖質 vs 脂質
    2. ② ホルモン分泌への影響:成長ホルモン vs コルチゾール
    3. ③ 順番を間違えると、互いの効果を打ち消し合う?
  2. 【結論】目的別!筋トレと有酸素の「最適解」
    1. 目的①:「筋肥大」が最優先の場合 → 「筋トレ → 有酸素」
    2. 目的②:「脂肪燃焼」が最優先の場合 → 「筋トレ → 有酸素」がやはり優位?
    3. 「有酸素 → 筋トレ」がNGな理由:筋トレの質が壊滅的に低下する
      1. 先に走って「ヘロヘロ」だった僕
  3. 筋トレ後の有酸素運動:「時間」と「強度」はどう設定すべき?
    1. ① 時間:「20分〜30分」程度が目安。 やりすぎは禁物!
    2. ② 強度:「軽く息が弾む程度」(最大心拍数の60〜70%)
    3. なぜ「やりすぎ」は筋肥大を妨げるのか?(AMPKとmTORの関係)
  4. ジムでおすすめの「有酸素運動」の種類と特徴
    1. ① ランニングマシン(トレッドミル):王道だが膝への負担も
    2. ② エアロバイク:膝への負担が少なく、初心者向け
    3. ③ クロストレーナー(エリプティカル):上半身も使う全身運動
    4. ④ ステアクライマー(ステッパー):高強度・ヒップアップ効果
    5. ⑤ HIIT(高強度インターバルトレーニング)は別物?
      1. クロストレーナーとの出会い
  5. 有酸素運動を「別日」に行うのはアリ?
    1. 筋肥大への干渉を最小限にするなら、それが理想
    2. 忙しい人は「筋トレ→軽い有酸素」の組み合わせが現実的
  6. まとめ:順番と時間を制して、筋トレと有酸素の「いいとこ取り」をしよう

なぜ「筋トレ」と「有酸素」の順番が重要なのか?

なぜ「筋トレ」と「有酸素」の順番が重要なのか?

「どっちが先でも、結局両方やるんだから同じじゃないの?」と思うかもしれません。
しかし、体の中では、順番によって全く異なる反応が起きています。

① エネルギー源の違い:糖質 vs 脂質

・筋トレ(無酸素運動):主なエネルギー源は、筋肉内に貯蔵されている「糖質(筋グリコーゲン)」です。
重いものを持ち上げる瞬発的なパワーは、この糖質を分解することで生み出されます。
・有酸素運動:主なエネルギー源は、「脂質」と「糖質」です。
運動強度が低いほど脂質が使われる割合が高まり、強度が高いほど糖質が使われる割合が高まります。

このエネルギー源の違いが、順番を決定づける重要な要素となります。

② ホルモン分泌への影響:成長ホルモン vs コルチゾール

・筋トレ:筋肉の成長に不可欠な「成長ホルモン」や「テストステロン」といったアナボリックホルモンの分泌を促進します。
・有酸素運動:長時間行うと、筋肉の分解を促進するストレスホルモン「コルチゾール」の分泌が高まる可能性があります。

ホルモンの観点からも、筋肥大を目指すなら筋トレを優先すべき理由が見えてきます。

③ 順番を間違えると、互いの効果を打ち消し合う?

もし、筋トレの「前」に長時間の有酸素運動を行ってしまうとどうなるでしょう?
筋トレの主要エネルギー源である「筋グリコーゲン」が枯渇し、筋トレで本来発揮できるはずのパワーが出せなくなります。
結果、トレーニングの質が低下し、筋肥大のシグナルが弱まってしまいます。
逆に、筋トレ「後」に過度な有酸素運動を行うと、筋肉の合成シグナル(mTORなど)が抑制され、筋肉の分解が進んでしまう可能性も指摘されています。

【結論】目的別!筋トレと有酸素の「最適解」

【結論】目的別!筋トレと有酸素の「最適解」

科学的根拠に基づいた、あなたの目的に合わせた最適な順番は、実は非常にシンプルです。

目的①:「筋肥大」が最優先の場合 → 「筋トレ → 有酸素」

筋肉を大きくしたい、強くしたいという場合。
結論:「筋トレ」を先に行うべきです。
理由は明確で、エネルギー(筋グリコーゲン)が満タンの状態で、最大のパワーを発揮し、質の高い筋トレを行うためです。
筋トレで成長ホルモンなどの分泌を促した後に、軽い有酸素運動で脂肪燃焼を狙うのが最も効率的です。

目的②:「脂肪燃焼」が最優先の場合 → 「筋トレ → 有酸素」がやはり優位?

とにかく体脂肪を落としたい、痩せたいという場合。
「先に有酸素で脂肪を燃やした方がいいのでは?」と考えがちですが、それでもやはり「筋トレ → 有酸素」の順番が推奨されます。
理由:
1. 筋トレによって成長ホルモンが分泌されると、体脂肪が分解されやすい状態になります。
その後の有酸素運動で、分解された脂肪が効率よくエネルギーとして燃焼されるため、脂肪燃焼効果が高まります。
2. 先に有酸素を行うと、やはり筋トレの質が落ち、筋肉量の維持・向上という観点(基礎代謝の維持)で不利になります。
脂肪燃焼が目的であっても、筋トレで筋肉量を維持・向上させ、基礎代謝を高めることは非常に重要です。

「有酸素 → 筋トレ」がNGな理由:筋トレの質が壊滅的に低下する

繰り返しになりますが、筋トレの前にランニングマシンで30分も走ってしまうと、筋肉のガソリンである「筋グリコーゲン」を大量に消費してしまいます。
その状態でスクワットやベンチプレスに臨んでも、本来挙げられるはずの重量が挙がらず、回数もこなせず、「質の低い」トレーニングになってしまうのです。
ウォーミングアップとしての軽い有酸素(5〜10分程度)は有効ですが、それ以上の長時間の有酸素運動を筋トレ前に行うのは、筋肥大を目指す上では絶対に避けるべきです。

先に走って「ヘロヘロ」だった僕

ジムに入会したばかりの頃、僕は「まず体を温めないと!」と思い込み、毎回ランニングマシンで30分走ってから、筋トレを始めていました。
走り終わる頃には汗だくで、心地よい疲労感。
「よし、これで準備万端だ!」とマシンエリアに向かうのですが…。
いざチェストプレスをやろうとしても、なんだか力が入らない。
レッグプレスも、すぐに足が重くなって限界が来る。
「あれ?走る前はもっと元気だったはずなのに…」。
僕は、筋トレをする頃にはすでにエネルギー切れ(グリコーゲン枯渇)を起こしていたのです。
ある日、トレーナーさんに「筋トレが目的なら、走るのは後にした方がいいですよ。
先にガソリン使っちゃってますから」と指摘され、順番を「筋トレ→有酸素」に変えてみました。
すると、驚くほど筋トレでパワーが出る!
今まで上がらなかった重量が上がり、セット数もこなせる。
僕は、良かれと思ってやっていた「有酸素ファースト」が、いかに自分の筋トレの質を下げていたかを痛感しました。

筋トレ後の有酸素運動:「時間」と「強度」はどう設定すべき?

筋トレ後の有酸素運動:「時間」と「強度」はどう設定すべき?

「筋トレの後が良いのは分かった。
じゃあ、どれくらいやればいいの?」
ここでの設定を間違えると、せっかくの筋トレ効果を損なう可能性があります。

① 時間:「20分〜30分」程度が目安。 やりすぎは禁物!

筋トレ後の有酸素運動は、脂肪燃焼効果が高い一方で、やりすぎると筋肉の分解(カタボリック)を促進してしまうリスクがあります。
推奨される時間は、「20分〜長くても30分」程度です。
1時間も走り続けるような長時間の有酸素運動は、筋肥大を目指す上では逆効果になる可能性があります。

② 強度:「軽く息が弾む程度」(最大心拍数の60〜70%)

強度も重要です。
筋トレ後はすでに体が疲労しているため、高強度(例:全力疾走)の有酸素運動は避けるべきです。
脂肪燃焼に最も効率が良いとされる「中強度」、具体的には「隣の人と会話ができるくらいの、軽く息が弾むペース」で行いましょう。
心拍計があれば、「最大心拍数(簡易計算式:220 – 年齢)の60〜70%」を目安にします。

なぜ「やりすぎ」は筋肥大を妨げるのか?(AMPKとmTORの関係)

少し専門的になりますが、長時間の有酸素運動は、体内で「AMPK」というエネルギーセンサーを活性化させます。
AMPKは、エネルギー不足を感知し、「省エネモード」に入るように指令を出します。
一方、筋肥大のスイッチとなるのが「mTOR」というシグナル伝達経路です。
問題は、AMPKが活性化すると、mTORの働きが「抑制」されてしまうことです。
つまり、有酸素運動をやりすぎると、せっかく筋トレで入れた「筋肉を作れ!」というスイッチ(mTOR)が、AMPKによって「オフ」にされてしまう可能性があるのです。
これが、「有酸素のやりすぎは筋肉が落ちる」と言われる科学的な理由の一つです。

ジムでおすすめの「有酸素運動」の種類と特徴

ジムでおすすめの「有酸素運動」の種類と特徴

ジムには様々な有酸素マシンがあります。
それぞれの特徴を知り、自分に合ったものを選びましょう。

① ランニングマシン(トレッドミル):王道だが膝への負担も

最も一般的なマシン。
速度や傾斜を自由に設定でき、消費カロリーも高い。
ただし、着地の衝撃があるため、膝や腰に不安がある人は注意が必要です。

② エアロバイク:膝への負担が少なく、初心者向け

サドルに座って行うため、膝への負担が非常に少ないのがメリット。
テレビを見ながらなど、「ながら運動」もしやすい。
運動強度は比較的低めですが、長時間続けやすいです。

③ クロストレーナー(エリプティカル):上半身も使う全身運動

足元のペダルと連動してハンドルも動かすため、下半身と上半身を同時に使う全身運動になります。
膝への負担も少なく、消費カロリーも比較的高いため、効率よく脂肪燃焼したい人におすすめです。

④ ステアクライマー(ステッパー):高強度・ヒップアップ効果

階段を無限に登り続けるようなマシン。
短時間で心拍数を上げやすく、特にお尻(大臀筋)や太ももへの負荷が高いため、ヒップアップ効果も期待できます。
強度は高めです。

⑤ HIIT(高強度インターバルトレーニング)は別物?

HIIT(ヒット)は、「全力運動」と「短い休息」を繰り返すトレーニング法です。
非常に短時間(4分〜20分程度)で高い脂肪燃焼効果と心肺機能向上が期待できますが、極めて高強度なため、筋トレ後にヘトヘトな状態で行うのは推奨されません。
HIITを行う場合は、筋トレとは別の日に行うのが良いでしょう。

クロストレーナーとの出会い

僕は、筋トレ後の有酸素運動として、ずっとランニングマシンを使っていました。
しかし、元々膝に少し不安があったため、30分走ると軽い痛みを感じることが悩みでした。
そんな時、ジムの隅で見たことのないマシンを使っている人を見かけました。
それが「クロストレーナー」でした。
足をペダルに乗せ、スキーのように前後に滑らせながら、ハンドルも前後に動かす。
試しに使ってみると…「何これ!?膝が全然痛くない!」。
着地の衝撃が全くなく、それでいて全身を使っている感覚があり、すぐに息が上がりました。
ランニングマシンと同じ30分でも、汗の量が全然違う。
僕はすぐにクロストレーナーの虜になりました。
膝の不安から解放され、より快適に、そして効果的に有酸素運動ができるようになったのです。
食わず嫌いせず、色々なマシンを試してみることの大切さを知りました。

有酸素運動を「別日」に行うのはアリ?

有酸素運動を「別日」に行うのはアリ?

「筋トレと有酸素、同じ日にやるのはやっぱり干渉しそうで不安…」。
そんなあなたは、別の日に行うという選択肢も有効です。

筋肥大への干渉を最小限にするなら、それが理想

前述のAMPKとmTORの関係などを考慮すると、筋肥大効果への干渉(コンカレントトレーニング効果の抑制)を完全に避けたいのであれば、「筋トレの日」と「有酸素運動の日」を完全に分けてしまうのが、理論上は最も理想的です。
(例:月・水・金は筋トレ、火・木は有酸素、土日は休み)

忙しい人は「筋トレ→軽い有酸素」の組み合わせが現実的

しかし、週に何日もジムに通う時間を確保するのが難しい人も多いでしょう。
その場合は、やはり「筋トレ → 軽い有酸素(20〜30分)」という組み合わせが、時間効率と効果のバランスを考えた上で、最も現実的で継続可能な選択肢となります。
神経質になりすぎず、できる範囲でベストを尽くしましょう。

まとめ:順番と時間を制して、筋トレと有酸素の「いいとこ取り」をしよう

まとめ:順番と時間を制して、筋トレと有酸素の「いいとこ取り」をしよう

筋トレと有酸素運動は、どちらも健康的な体を作る上で重要な要素です。
しかし、その効果を最大限に引き出すには、「順番」と「時間」を戦略的に考える必要があります。

最後に、その最適解をまとめます。

  • 順番の鉄則:「筋トレ」が先、「有酸素」が後!
    (筋トレの質を最大化し、成長ホルモン分泌後の脂肪燃焼効果を高めるため)
  • 筋トレ前の有酸素:ウォーミングアップとしての軽いもの(5〜10分)ならOK。
    それ以上はNG。
  • 筋トレ後の有酸素:時間は「20〜30分」程度に留める。
    強度は「軽く息が弾む程度」。
    やりすぎは筋肥大を妨げる可能性あり。
  • 理想(時間があれば):筋トレの日と有酸素の日を完全に分ける。

「なんとなく」でトレーニングの順番を決めていたあなたは、今日からその順番を変えるだけで、今よりもっと早く、効率的に理想の体に近づけるはずです。

科学的根拠に基づいた正しい順番と時間配分を実践し、筋トレと有酸素運動の「いいとこ取り」を実現しましょう!
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