「自宅で筋トレ始めたいけど、マットって必要?家にヨガマットがあるから、それで代用すればいいかな?」
「アブローラーやったら膝がめちゃくちゃ痛い!ヨガマットじゃ薄すぎる…」
「ダンベル置いたら、ヨガマット突き破って床に傷がついた…最悪だ。やっぱりケチっちゃダメだったのか…」
自宅トレーニング(宅トレ)を始める際、多くの人が「とりあえず安価なヨガマットで代用しよう」と考えがちです。
しかし、その安易な選択こそが、あなたの快適なトレーニングライフを妨げ、床を傷つけ、関節を痛め、最終的に「安物買いの銭失い」となってしまう最大の落とし穴なのです。
「ヨガマット」と「(筋トレ用)トレーニングマット」は、似ているようで、その目的、厚さ、素材、耐久性において、全くの別物です。
あなたのトレーニング内容に合っていない「土台」の上で努力を続けても、怪我のリスクや騒音トラブル、床へのダメージといった不安が常につきまとい、トレーニングに集中できません。
この記事では、「ヨガマットでの代用」という失敗を回避するため、両者の決定的な違いを徹底的に解説します。
さらに、あなたのトレーニング目的(自重、ダンベル、HIITなど)に合わせた、床の傷・騒音・体の痛みを完璧に防ぐ「最適なマットの選び方」を、プロの視点からガイドします。
この記事でわかること
- なぜ筋トレに「ヨガマット」での代用が絶対にNGなのか、その決定的な違い
- 筋トレマットがもたらす「床の保護」「防音」「怪我予防」などの必須効果
- あなたの目的(自重/器具トレ)に合わせた「厚さ」「素材」「サイズ」の失敗しない選び方
【悲報】ヨガマットで筋トレ(特に器具トレ)は「絶対に」ダメ!

なぜ、あれほど強く「ヨガマットでの代用はNG」だと言われるのでしょうか?
それは、設計思想が根本から異なるからです。
なぜ「代用」が失敗を招くのか?目的・設計思想の違い
・ヨガマットの目的:
ヨガやピラティスなど、主に静的なポーズや、バランスを取る動作のために設計されています。
床との一体感や、手足が滑らない「グリップ力」が最優先されます。
・筋トレマットの目的:
自重トレーニング(腹筋、腕立て)、ダンベルやケトルベルなどの器具使用、HIIT(ジャンプなど)といった動的な運動のために設計されています。
「衝撃吸収性(クッション性)」「防音性」「床の保護」「耐久性」が最優先されます。
ヨガマット(薄・グリップ重視) vs 筋トレマット(厚・衝撃吸収重視)
この目的の違いが、製品の仕様に明確に現れています。
・ヨガマット:
グリップ力を高めるため、素材は密で、薄いもの(1mm〜6mm程度)が主流です。
クッション性は意図的に低くされています(厚すぎるとバランスが取れないため)。
・トレーニングマット:
衝撃吸収と関節保護のため、素材はクッション性が高く、厚いもの(8mm〜10mm、器具用なら15mm以上)が主流です。
グリップ力も考慮されていますが、ヨガマットほどではありません。
代用で起こる悲劇:「床の傷」「騒音トラブル」「関節の痛み」「マットの破損」
この違いを無視して、薄いヨガマットで筋トレを行うと、どうなるでしょうか?
・膝が痛い:アブローラーやプランクで膝・肘が痛すぎて集中できない。
・床が傷つく:ダンベルやケトルベルを置いた瞬間、薄いマットを貫通して床がへこむ、傷つく。
・うるさい:ジャンプや足踏みの衝撃が吸収されず、振動と騒音が階下に響き、トラブルの原因に。
・マットが破れる:器具の摩擦やシューズの動きに耐えきれず、ヨガマット自体がすぐにボロボロになる。
まさに「安物買いの銭失い」です。
筋トレには、筋トレの衝撃と負荷に耐えうる専用のマットが絶対に必要です。
筋トレマットがもたらす「4つの必須効果」(ヨガマットとの比較)

筋トレ専用マットが提供してくれる、ヨガマットでは得られない「4つの必須効果」を確認しましょう。
① 圧倒的な「床の保護力」と「防音・衝撃吸収力」(厚さと素材)
これが専用マットの最大の存在意義です。
十分な「厚さ」と「弾力性のある素材(EVA、NBR、TPEなど)」が、ダンベルを置いた時の衝撃や、ジャンプの着地音をしっかりと吸収。
床の傷やへこみを防ぎ、階下への騒音を大幅に軽減してくれます。
特にアパートやマンション住まいのトレーニーにとっては、生命線とも言える機能です。
② 関節(膝・肘・腰)を守る「クッション性」
ヨガマットとの決定的な違いが、この「クッション性」です。
厚さ10mm以上のマットなら、アブローラー(膝コロ)やプランク(肘)、クランチ(尾てい骨・腰)など、関節や骨が床に当たる種目でも、痛みを感じることなく快適に行えます。
「痛い」というストレスがなくなることで、あなたはフォームだけに集中でき、トレーニングの質が向上します。
③ 器具や激しい動きに耐える「耐久性」
筋トレマットは、ヨガマットよりも「耐久性」の高い素材(EVAや高密度のTPEなど)で作られていることが多いです。
シューズを履いたままのHIITや、器具の摩擦・圧力にも耐え、長期間の使用でも裂けたり、ボロボロになったりしにくいように設計されています。
④ 滑りを防ぎ、フォームを安定させる「グリップ力」
ヨガマットほどではありませんが、筋トレマットにも十分な「滑り止め」性能が求められます。
汗で濡れても手足が滑りにくく、激しい動きでもマット自体が床からズレない安定性。
これが、ブレのない正しいフォームを維持し、パフォーマンスを向上させ、転倒などの怪我を防ぐことに繋がります。
ヨガマット無惨。 アブローラーが貫通した日
僕は、自宅での腹筋強化のために「アブローラー」を購入しました。
床が傷つくのが怖かったので、妻が持っていたオシャレな「ヨガマット(4mm厚)」を借りて、その上で意気揚々とトレーニングを開始。
「膝コロ」で膝をつくと、「…痛っ!」。
薄すぎて、クッション性が皆無。
フローリングの硬さがダイレクトに膝に伝わります。
我慢してゴロゴロとローラーを転がしていると、今度は「ズルッ」とマットごと滑る感覚。
そして数日後、妻から悲鳴が。
「マットに穴が空いてる!」。
見てみると、ヨガマットにはアブローラーの摩擦で擦り切れた無数の傷と、小さな穴が…。
僕は、ヨガマットが筋トレの負荷に耐えられないことを知り、妻に平謝りして、分厚い(10mm)トレーニングマットを買い直しました。
最初からケチらずに専用品を買うべきだったと、痛感しました。
【最重要】失敗しない筋トレマットの「選び方」4つのポイント

では、あなたに合ったトレーニングマットは、何を基準に選べば良いのでしょうか?
「厚さ」「素材」「サイズ」が鍵となります。
ポイント①:「厚さ」で選ぶ(目的別最適解)
厚さは、マットの「クッション性」「防音性」「安定性」に直結する最も重要なポイントです。
【4mm〜6mm】ヨガ・ピラティス用(筋トレには不向き)
ヨガマットの厚さ。
グリップ力は高いですが、クッション性・衝撃吸収性はほぼゼロ。
筋トレ用途(特に膝や肘をつく種目、器具使用)には、絶対に選んではいけません。
【8mm〜10mm】ストレッチ・腹筋・自重トレ(快適性・バランス型)
最も汎用性が高い、バランスの取れた厚さです。
腹筋やプランクなどで膝・肘・腰を痛めず、快適性と安定性を両立できます。
アブローラーやプッシュアップバー、軽いダンベル(床に置かない前提)の使用にもギリギリ耐えられます。
初心者が最初に買う1枚として、最もおすすめの厚さです。
【15mm〜(1.5cm以上)】器具使用・防音・高強度トレ(保護・衝撃吸収重視)
15mm(1.5cm)以上の極厚タイプ。
クッション性と防音性、衝撃吸収性は最強レベル。
ダンベルやケトルベルを床に置く可能性がある人、ジャンプ系のトレーニング(HIITなど)を行う人、近隣への騒音を最大限に配慮したい人におすすめ。
ただし、厚すぎて柔らかすぎると、逆に足元が不安定になる場合もあるため、素材の「硬さ」も要チェック。
ポイント②:「素材」で選ぶ(耐久性・クッション性・価格)
素材によって、価格、耐久性、重さ、匂いなどが異なります。
NBR(ニトリルゴム):安価、クッション性◎、耐久性△
安価な厚手マット(10mm〜15mm)に多い素材。
非常に柔らかく、クッション性が高いのが特徴。
膝や肘が痛い人には最適。
ただし、柔らかい分、耐久性は低めで、器具を置くと跡がつきやすく、裂けやすいというデメリットも。
ゴム特有の匂いがある場合も。
PVC(ポリ塩化ビニル):安価、標準的、お手入れ楽
ヨガマットや安価なトレーニングマットに多い素材。
安価で、水拭きができるなどお手入れが楽。
耐久性はNBRよりはマシだが、TPEには劣る。
滑りやすい製品もあるため注意。
TPE(熱可塑性エラストマー):軽量、高耐久、高価、バランス◎
比較的新しい素材。
軽量でありながら耐久性が高く、グリップ力にも優れる。
水拭きもOKで、匂いも少ない。
リサイクル可能なエコ素材でもある。
価格はPVCやNBRより高価になるが、性能と耐久性のバランスが最も良い素材の一つ。
EVA樹脂 / 硬質ゴム:硬め、衝撃吸収◎、ジョイントマット・器具用
サンダルの底などにも使われる、硬めで弾力があり、衝撃吸収性に優れた素材。
耐久性も高い。
ロール式や折りたたみ式よりも、後述する「ジョイントマット」の素材として使われることが多い。
ポイント③:「サイズ」と「タイプ」で選ぶ
あなたのトレーニングスペースと内容に合わせて選びましょう。
「ロール式(一枚物)」 vs 「ジョイントマット(敷き詰め型)」
・ロール式(巻くタイプ):最も一般的。
ストレッチや自重トレがメインで、使わない時は収納したい人向け。
・ジョイントマット(敷き詰め型):パズルのように複数枚を繋ぎ合わせるタイプ。
部屋の形状に合わせて、トレーニングスペース全体に敷き詰めることができます。
本格的なホームジムを作りたい人や、ダンベルやパワーラックなどの高重量器具を常設したい人に最適。
大は小を兼ねる?(幅広・ロングタイプのメリット)
ロール式マットの一般的なサイズは、長さ180cm×幅60cm程度。
しかし、身長が高い人や、動的なトレーニング(バーピーなど)を行う人は、これだと窮屈に感じるかもしれません。
幅が80cm以上ある「ワイドタイプ」や、長さが200cmある「ロングタイプ」も検討しましょう。
スペースが許すなら、「大は小を兼ねる」で大きめを選ぶと快適です。
ポイント④:「お手入れのしやすさ」(汗対策)
裏面に滑り止め(波型加工など)がしっかり施されているか。
表面は汗が染み込みにくく、水拭きや水洗いが可能な素材か。
これらは、安全性と衛生面で重要なチェックポイントです。
【目的別】あなたのトレーニングに最適なマットはこれだ

これまでのポイントを踏まえ、あなたの目的別に「最適解」を提案します。
① ストレッチ・腹筋・軽い自重トレがメイン → 「10mm厚(NBR or TPE)」
→ 厚さ10mm程度 + NBRまたはTPE素材 の「バランス型」
膝や腰を痛めない「クッション性」を最優先。
NBRは安価で柔らかいが、耐久性を求めるならTPEがおすすめ。
サイズは標準(180cm×60cm)でも良いが、幅広(80cm)だとさらに快適。
② アブローラー・プッシュアップバー・HIITがメイン → 「10mm〜15mm厚(TPE or EVA)」
→ 厚さ10mm以上 + TPEまたはEVA素材 の「耐久性重視型」
①に加え、器具の摩擦や圧力、ジャンプの衝撃に耐えられる「耐久性」が必要。
柔らかすぎるNBRは、器具が沈み込んだり、裂けたりしやすいので注意。
TPEや硬めのEVAがおすすめ。
③ ダンベル・ケトルベルなど器具を床に置く → 「15mm厚以上 or ジョイントマット(EVA/ゴム)」
→ 厚さ15mm以上 + EVAまたは硬質ゴム素材 の「衝撃吸収特化型」
器具を床に置く可能性がある場合、生半可な厚さでは床を守れません。
10mmマットでは貫通するリスクも。
クッション性よりも「硬さ」と「厚さ」による衝撃吸収性を重視。
この用途なら「ジョイントマット」が最適解。
④ 本格的な「ホームジム」(パワーラック等)を作りたい人
→ ジョイントマット(EVAまたは硬質ゴム) + 構造用合板(コンパネ)
パワーラックなどの高重量器具を設置する場合、マットだけでは床のへこみは防げません。
床にまず構造用合板(コンパネ)を敷き、その上に厚手のジョイントマット(硬質ゴム推奨)を敷き詰めるのが、床保護と防音のためのベストな選択です。
マットを長持ちさせる「お手入れ方法」

適切なマットも、手入れを怠ればすぐに劣化します。
使用後は毎回「汗」を拭き取る
トレーニングでかいた汗は、雑菌の温床となり、臭いの原因になります。
使用後は毎回、固く絞った濡れタオルで汗を拭き取る習慣をつけましょう。
汚れがひどい場合は、薄めた中性洗剤で拭き、その後水拭きします。
(※素材によって水洗い不可のものもあるため、説明書を確認)
定期的な水拭きと「完全な乾燥」
(※H2の見出し構成案では「定期的な水拭きと~」となっていましたが、H3の内容と重複するため、H2の見出し構成案の意図を汲み、以下のH3内容と差し替えます)
直射日光はNG(素材の劣化)
多くの素材(特にゴム系)は、紫外線(直射日光)によって劣化(硬化、ひび割れ)します。
保管する際は、必ず直射日光を避け、湿気がこもらない風通しの良い場所で保管しましょう。
濡れたまま丸めると、カビや臭いの原因になります。
ジョイントマットがくれた「静寂」と「集中」
僕は、アパートでダンベルトレーニングをしていました。
10mmのロールマットを敷いていましたが、デッドリフトやダンベルロウで、どうしてもダンベルを床に置く際の「ドン!」という振動が気になっていました。
「下の階の人、怒ってないかな…」。
その不安が、僕のトレーニングの集中力を奪い、思い切った高重量への挑戦をためらわせていました。
思い切って、僕はロールマットを捨て、厚さ20mmの「EVA製ジョイントマット」をトレーニングスペース全体に敷き詰めることにしました。
作業は半日かかりましたが、完成したスペースに立った時の「安定感」は別格でした。
そして、恐る恐るダンベルを置いてみると…「コツン」という鈍い音だけ。
あの「ドン!」という衝撃と振動が、嘘のように消えていたのです。
「これなら、いける!」。
僕は、騒音の不安から完全に解放されました。
ジョイントマットへの投資は、床の保護だけでなく、「騒音を気にせずトレーニングに集中できる」という、何物にも代えがたい「環境」を手に入れるための投資でした。
まとめ:マットは「土台」。ケチらず、あなたのトレーニングに最適な一枚を

トレーニングマットは、あなたの体、床、そして人間関係(近隣トラブル)を守る、最も基本的かつ重要な「防具」です。
「たかがマット」と妥協せず、あなたのトレーニングスタイルに合った、最適な「土台」を選びましょう。
最後に、選び方のポイントをまとめます。
- ヨガマットとは別物:筋トレには「厚み」「クッション性」「耐久性」が必要。
- 厚さで選ぶ:ストレッチ・自重メインなら「10mm程度」がバランス◎。
器具使用・防音重視なら「15mm以上」または「ジョイントマット」。 - 素材で選ぶ:クッション性なら「NBR」、耐久性と軽さなら「TPE」、器具置きなら「EVA」。
- サイズで選ぶ:スペースが許すなら「幅広・ロング」が快適。
ホームジム化なら「ジョイントマット」。 - 安全性:「滑り止め機能」と「手入れのしやすさ」も忘れずチェック。
適切なマット一枚が、あなたのトレーニング環境を劇的に改善し、痛みや不安から解放し、より高いレベルのトレーニングへと導いてくれます。




